リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【京大理系研究室】学祭期間の過ごし方

学園祭開催

 京都大学では、11月下旬に学祭があります。クラブ、サークルの資金集めやクラス親睦目的で模擬店をだしたり、パフォーマンスを披露したりと思い思いの形で自己表現ができる場です。お酒提供が完全禁止になって、夜になると暴れだす集団もいなくなり、健全な形で運営されているようです。久しぶりに覗いてきましたよ。ステージでは、女子学生が歌ったり踊ったりしている姿が目立ちました。屋外ではジャズ演奏やジャグリングなどのストリートパフォーマンスが繰り広げられ、建物の中での自主映画や脱出ゲームも賑わっていました。真面目に、全力で遊んでいます。親子連れが結構いたのが新鮮でした。小学生を連れて大学の学園祭潜入は思いつかなかったですね。

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 特別講演では、京都大学阿部竜先生が「人工光合成でエネルギーを変える!未来を拓く!」というタイトルで、私の尊敬する大阪大学石黒浩先生が「人間型対話ロボットと未来社会」というタイトルで登壇されたようです。面白かったはず。

お祭り期間の研究室旅行

 学祭は、学部生が中心になって運営されています。ラボに所属するのは学祭とはちょっと距離があるほぼ大学院生で、この期間は講義がありません。学生のみならず先生も講義がないというわけで、例年学祭期間に研究室旅行に出かけます。今年は近場の滋賀県へ総勢25名、車6台で行ってきました。琵琶湖を望む山の中に泊まり、美術館巡り、陶芸体験、忍者体験と芸術&スポーツの秋を満喫です。

 学生が企画する旅行なので、豪華な旅になることはまずなくて、今年泊ったのは山の中のバンガロー。こういうところには普通、夏に泊まりますよね。寒いのなんの。写真見返すだけで寒いです。ぺったんこのせんべい布団で寝て、背中が痛いし。大人には少々厳しい環境での宿泊でした。ただ、1泊3,000円で泊まれて全棟貸し切りというのは学生にとってはありがたい宿泊施設ですよね。奇声を発しても、深夜まで麻雀をしていてもどこからも苦情がこないですから。

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段取りと調整力を養う場

 企画担当者はかなり大変です。今年の上級生たちは例年に増してわがまま集団で、部屋割りや配車、活動企画、食事内容すべてにバラバラと自分の希望を言うのです。できる限りの要望を聞き入れ、対応できないことにははっきりと「無理です。」と先輩たちに言っている担当学生の姿はたくましかったです。タイムスケジュール通りに進むように、時計を気にしながら行動を促し、お金を管理して、戻ってきてからは精算が待っています。これだけのことに対応できたら、社会人になっても大丈夫かな。一人で仕切ったMちゃんに拍手。

 ルーズな学生が担当になると、全然タイムスケジュール通りには事が運びません。お城など入場時刻に制限がある施設に入れないケースが過去に何度かありました。収支が合わず、数千円の使途不明金がでたこともありますしね。まったくもって謎。その旅行代金、今年は「現金、振り込み、LINE pay で受け付けます」と。なんとも今どきであります。

 2年前はひどかったですよ。担当学生が私の車に日本語が話せない来日したばかりの留学生3人を割り振ったのです。みんな英語で話せるから車内で楽しく過ごせると思ったのでしょうね。当然道案内は何の役にも立たないし、LINEグループで連絡がくる集合場所も伝えてもらえないしで、困りました。車窓から見えるものを「あれはなんだ、これはなんだ?」と質問され、日本人が乗っていないので全部私が返事しないといけないし。運転に集中したいときは、はっきり言ってめんどくさい。「考えが浅い!」と休憩ポイントで私に責められて、すぐにメンバーチェンジとなったのは言うまでもありません。学生の間に、一度はイベント運営の経験をするべきではないかと最近思っているところです。

今日のひとこと:企画運営はやってみるべし