空き家になった実家の売却活動 その1~媒介契約~
不動産仲介業者を選ぶ基準
母が他界して1年。こんな時期にみんな集まるのもな、と思って一周忌もせずおとなしくしています。
さて、誰も住まなくなった実家を片づけ、査定に出したというところまでは随分前に報告したかと思います。うっかり一括査定なんかしようもんならじゃんじゃん電話がかかってきて大変だと。「一度拝見させていただいて査定を。」という電話を断るのが大変でした。こっちが行動しなくても、不動産屋からのアプローチもあります。法務局では登記情報が閲覧できます。所有者が変わるのを不動産仲介業者はチェックしているんですよね。物件の住所と所有者の住所が違っていると、これは売買の対象になると目ざとく見つけてダイレクトメールを送ってきます。大手から聞いたこともない不動産屋さんまで、「売却しませんか。」とそれはそれはたくさんのDMをちょうだいしました。すべてスルーです。
私は大手4社に絞って査定をしてもらい、その中から1社選んで売却を依頼しました。仲介手数料はどこに依頼しても、物件価格が400万円以上の場合は(売買価格×3%+6万円)+消費税です。だったら、広告費をかけてくれる大手に依頼するのが売主にとってはお得。場合によっては100万円を超えてくる仲介手数料はバカになりません。一律とはいえ、仲介手数料は値引き交渉可能です。必ず契約する前に値引き交渉をしましょう。私の場合、25%引きで契約成立です。感触的に、これ以上の値引き交渉は難しかったです。なお、仲介手数料は成功報酬ですので、売却が完了するまでは1円もかかりません。
売却にあたり、ハウスクリーニングをしたいと考えていたのですが、担当者の方は「ぜひやりましょう。」と言ってくださいました。「どうせ買主さんがクリーニングされますし、しなくてもいいんじゃないですか。」という業者さんもいました。このあたりの考え方も一致する方がストレスがなくていいと思います。ちなみに、ハウスクリーニングは8万円。このハウスクリーニング業者さんが、売却にあたって作成しなければならない書類に書く家の設備を調べてくれたので大助かりでした。
媒介契約には3種類ある
不動産仲介業者との媒介契約には、「専属専任」「専任」「一般」の3種類があります。専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだら、物件情報は指定流通機構(通称レインズ)のシステムに登録されます。レインズは、不動産仲介業者が、全国で売りに出されている不動産の情報を閲覧できるシステムです。レインズに登録されれば、適正な価格での売却や早期売却の可能性が高まります。また、これらの契約形態の場合は、文書やメールなどで売主に進捗状況を報告する決まりになってて、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、専任媒介契約では2週間に1回以上の頻度で報告を受けます。安心ですね。もう少し詳しく書くと、専属専任媒介契約の場合は、自分で買主を見つけることができず、専属媒介契約のときは自分で買主を見つけることも可能で、その場合、仲介手数料は不要です。
一方、一般媒介契約の場合は、複数の不動産仲介業者と契約を結ぶことができ、契約した不動産仲業者が同時に購入希望者を探してくれます。ただ、一般媒介契約は、売主への報告が義務化されていないため、売却活動が売主に見えにくい可能性があります。また、レインズへの登録も義務ではないので、不動産情報が広がりにくいと思われます。
たくさんチャンネルをもつためには一般がいいように思えますが、他の業者も受けている物件はあまり売却に力をいれてもらえない傾向があるように感じました。売主が依頼した不動産屋とは違う不動産屋で買主は物件情報を得て、それぞれ別の不動産屋を使って売買することもできますので、売主にとっては一般媒介契約はそんなにメリットはないように思います。
専属媒介契約で売却活動開始
不動産屋としては、売主と買主双方から仲介手数料をもらうのが効率がいいので、精力的に頑張ってくれます。鍵をお渡しして、あとは全部お任せです。新聞折込チラシや広告のポスト投函、インターネットへの掲載、取引業者への案内とやっぱり大手がいいですよ。他の不動産屋もレインズ登録後は顧客に案内することができるため、そちらにも期待です。と売却活動を始めたのが、2019年10月のことでした。つづく。