リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

空き家になった実家の売却活動 その4完~引き渡しへ~

住宅ローンは自分で選べる

 キャッシュで不動産を買える人はほとんどいないので、融資を受けることになります。たいていは、不動産屋が提携している金融機関で与信審査(いくらまで貸せるか)と物件審査(物件にどれだけ価値があるか)を受けて、無事に通過したら融資を受けることになります。本来は融資を受ける買主が金融機関に出向いて書類を準備しなければいけないのですが、提携ローンを使うと面倒なことは不動産屋がやってくれます。銀行によって金利が違うので、自分で頑張って調べた方が返済する金額は少なく済む可能性が高いです。私は自宅購入時によくわからないまま提携ローンを使いましたが、その後金利が安いところに借り換えました。事務手数料や抵当権再設定費用で数十万円もかかるので、最初から安いところで契約しておいた方がいいですよ。ま、私の場合は完全に当時は知識不足だったので仕方なしです。今回買主さんは不動産屋の提携ローンを使われていましたね。そこは私が口をはさむ余地なしです。

契約までに売主が作成する書類

 契約時までに売主が準備する書面は、設備表と物件状況報告書。給湯関係、水回り関係、空調関係、収納関係など物件に何が備えられているかと故障の有無を書いていきます。例えば、洗面設備の鏡にくもり止めがあるか、トイレに保温・洗浄・乾燥機能があるか、浴室乾燥・暖房機能があるか、換気扇はどこにあるかなど。細かいです。この表に、故障や不具合があれば具体的に記入していきます。ここが大事。引き渡し後に、記入がないもので不具合が見つかれば修理責任を負うことになりますから。逆に、書いておけば、その部分については修理義務を負いませんし、修理して引き渡す必要もないのです。床のへこみとか玄関タイルのひびとかクロスのはがれとか、見つけたものは全部書いておきました。

 さて、契約時に売主と買主が初めて顔をあわせることになります。かなり事務的でしたよ。不動産屋が準備してくれた売買契約書と重要事項説明書を読み合わせして一つずつ確認していくという作業を1時間ほどかけておこないます。相続等で物件の所有者になった人は、契約時までに自分の名義に変更しておく必要がありますよ。双方納得して問題なしであれば、署名押印となります。売買契約書は2通作成して、売主と買主各1通を保管します。売買契約書に貼った収入印紙が1万円で、売主と買主がそれぞれ負担です。たっか!それでも印紙税の軽減措置がとられているらしく、半額なんですって。ということは通常は2万円?軽減措置は令和2年3月末までだったみたいなので、今は元に戻っていると思われます。

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 無事に契約が成立し、このとき買主は売主に手付金を払います。売買代金の5~10%が相場で、現金払いです。普段手にしない大金を現金でもらって、平静を装いつつ、かなりドキドキしながら金額を確かめました。で、銀行口座に入れるまでの移動中はビクビクでした。

 この手付金。中古物件売買契約の場合、買主は手付を放棄することによって契約を解除できます。売主は、手付の倍額を払うことによって契約を解除することができます。

引き渡しと残代金精算

 契約が終われば、買主が融資の本審査を申請して、融資が実行されるタイミングで引き渡しです。通常契約から1ヶ月程度でしょうか。今回、買主さんはご夫婦別々にローンを組まれることになり、3人が揃う日程調整がうまくいかず結局契約から2ヶ月後の引き渡しとなりました。融資を実行する銀行に全員集合です。不動産屋や司法書士が作成した書類にじゃんじゃんハンコを押していく作業が待っています。売渡証書、引渡し完了書、管理費や固定資産税の精算明細書、各種領収書等。買主さんは融資が実行されて、所有権移転と抵当権設定登記が必要なのでこれらの書類にもハンコを押しておられました。買主さんの口座に融資されたお金が入って、それを目にすることもなく私の口座へ移るという。買主にとってはなんともむなしい流れです。そして売主が、鍵を渡して取引完了です。

 めでたしめでたしというところですが、瑕疵担保責任というものがあります。売主が告知しなかった傷や不具合があった場合、補修や損害賠償を要求できるというもの。給排水管の故障や雨漏りなどが想定されています。不動産屋によっては、オプションで瑕疵担保責任保険をつけることができたり、サービスでついていたりするところもあります。私の場合、もともとサービスでついていたのですが、仲介手数料を値切ったために外されてしまいました。。。というわけで、念入りに住居の状況を確認して告知したのです。瑕疵担保責任を負うのは引き渡しから1週間。そうそう不具合は起こるものでもないですし、値切った仲介手数料の方がはるかに大きいはずと。無事に1週間が経過し、晴れて売却完了です。

 買値と売値がほぼ同じで利益が出たわけでもないのに、減価償却分が利益になる(なんでやねん!)ようで、来年の確定申告で100万円以上税金を収めることになります。涙

今日のひとこと:住宅の不具合は徹底的に調べるが吉