リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

空き家になった実家の売却活動 その2~査定~

高い査定額を出す不動産屋

 たくさんの業者から査定をとるのがいいのかどうか。ネットでは、こんなに査定額が違うんですという広告を見ますよね。確かに業者がだしてくる査定額には開きがあります。ただ、査定額が高いからと言ってその値段で売れるわけではないので、あくまで参考値です。不動産を業者に引き取ってもらう場合は、相場より1割くらい安くなります。一般的には仲介をしてもらう方が高く売れますし、急いで売る必要がなければ強気の値段で売りに出すことができます。

 どちらかというと大手は相場付近の査定をだしてきます。近隣の成約物件と比較して、妥当な金額だと感じました。中小の不動産屋は査定額というよりは、この金額で売りませんかという値段を提示してきます。大手も、売り出し価格は少し上乗せしましょうと提案してくれますので、何百万円も違うような結果にはなりません。買主が一人でも見つかれば成功ですので、買主を見つけてくれやすい不動産屋さんを選ぶのが賢明です。

チラシの甘い口説き文句に惑わされてはダメ

 「このマンション限定!予算4,800万円で探しておられる買主さんがいます」みたいなチラシがよく郵便受けに投函されています。グレーな広告ですよね。私の場合、自宅マンションと実家マンションはわりと近くにあって、マンション名だけ変えて同じ広告が入っていますから。一応その業者に連絡はとってみたものの、顧客がいるのかどうかは怪しかったです。実際実家を売りに出してから、その業者さんからの顧客案内はありませんでしたし。注意しないといけないのは、本当に予算が4,800万円だったとしても、それはリフォーム、仲介手数料諸々諸費用を含めた予算です。引っ越し費用やローン実行手数料も必要となりますから、結局数百万円は差し引いて考えないといけません。

査定ポイント

 マンションの場合。交通の便、買い物の利便性、公共施設の利便性、周辺環境。分譲会社の信用度、建設会社の信用度。外壁の仕上げ材、共用エントランス、経過年数、共用部分の保守・修理・清掃の状況。駐車場、駐輪場、集会所、エレベーターの有無。専有面積、開口部の方位、室内の使用状況。それから眺望・景観、日照・通風。これらを点数化して、査定額が決まります。

f:id:gajumarun:20200511174813j:plain

 戸建ての場合は、マンション独特の査定項目が減って、代わりに住宅環境、道路の幅員、間取りが考慮されます。両親はマンションに移る前は戸建てに住んでいて、ここがまさに私の実家です。その戸建て売却の際の査定資料がでてきました。築25年の2階建て木造建物の査定価格はなんと73万円。安っ!!ほぼ土地だけの値段で売ったということですね。売買契約書を見ると、査定額より200万円ほど高く売れていました。やっぱりそんなものみたいですよ。

 畳がボロボロとか、壁に落書きがあって汚いというのは経過年数に含まれるのでよっぽどひどくない限り査定には響きません。トイレや給湯器などの設備の更新も、通常住んでいると必要となる保守範囲なので新しいからといって査定額があがるわけでもありません。

 売る前にリフォームをすべきかどうかは程度によるかもしれませんが、通常必要ありません。リフォームでかかる費用を販売価格に上乗せされるくらいなら、安く買って自分好みのリフォームをしたいと買主は思うでしょうから。ただし、明らかに使用に支障がある箇所については修繕しておく必要があります。つづく。

今日のひとこと:査定額イコール売却価格ではない