リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【大学受験】高校3年生から大学入学までにかかる費用

私立高校と塾に払うお金

 学校だけで受験勉強が完成する場合は、塾いらずで、余分なお金も通塾にかかる時間も節約することができます。これが理想ですよね。ムスメの場合、面倒見のいい私学にいたので全く塾のお世話にはなりませんでした。ちゃんと学校でやってくれるにもかかわらず、8割くらいの生徒は通塾していましたけど。経済的に余裕があるうえに教育熱心な家庭が多いためか、物理的にできることは全てやろうという方針なのでしょう。後悔しないように、それもありです。何が正解かは家庭によって違うので、比較することには意味がありません。

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 さて。全く塾を使わなかった場合でも、私学に通っているとそれなりに費用が発生します。授業料や教材費、施設維持費等で年間100万円程度の出費です。それに加え、夏と冬に各1週間ずつあるお勉強合宿と模試代で25万円かかりました。これに塾の費用が発生すると1.5~2倍くらいになります。医学部志望専門の塾だと、年間500万円以上かかるところもあります。季節講習だけで100万円の請求書が届くと友人が言っていますので、本当なんですね。お医者さんになるとそのくらいは回収できるということなのでしょうか。というか、経済力のあるお医者さんの家庭しか、そんな高い学費は払えません!

入学検定料は模試よりもかなり高額

 国立大学を1校受けるだけであれば、センター試験の18,000円と国立大学二次試験の17,000円を合わせた35,000円で済みます。が、国立大学をもう一つ増やすとプラス17,000円。公立大学を受けると更に30,000円、私立大学を受けると30,000円~35,000円とどんどん膨れ上がります。3校受験するとだいたい10万円ですね。センター型の試験といって、センター試験の結果だけで合否が決まる大学もあるんです。その大学の受験料ですら、1~2万円します。入試問題は何一つ作ってないし、データをもらっているだけなのに。これを考えると、推薦で1校だけ受験するのが一番安上がりです。

 遠くの大学を受験すると、交通費と宿泊費もかかります。保護者も一緒について行くと、2倍です。こちらのお財布事情をなるべく子どもには気付かれないように、うまく落としどころを見つけてください。

めでたく合格した暁には

 晴れて合格となったら。余韻に浸る暇もなく、入学金と授業料の振り込みが待っています。合格発表から1週間ほどの期間以内に、入学金を払います。なぜか入学金は国立大学よりも私立大学の方がやや安く、国立大学が28万円に対して、多くの私立大学は20~25万円です。比較的早い時期に前期分の授業料を払わなければならないところもあります。学資保険の満期がいつなのか、確認しておいた方がいいですよ。特に推薦入試では合格が決まるのは秋です。満期まで待っていたら間に合わない可能性があります。

 手続きを済ませた後で入学を辞退する場合、「3月31日までに入学を辞退すれば、入学金を除く納付金を返還する」としている大学が一般的です。つまり、滑り止めの私立大学に合格すると、入学金と授業料の一部の数十万円は一旦支払うことになります。その後、第一希望の私立大学や国公立大学に合格して滑り止めの私立大学の入学を辞退する場合には、入学金以外が戻ってくるということです。ただし、大学ごとに対応は異なるので、募集要項は要確認です。

 試験日程の関係で、第1志望校の合格発表前に、志望順位の低い大学の合格が決まった場合には、戻ってはこない入学金を納めるかどうか、事前に決めておくことをお勧めします。どうせ行かないからと最初から受験しない我が家のようなところもありますし、慶應義塾大学に受かっても入学手続きをしないつわものもいました。

今日のひとこと:受験にはまとまったお金が必要

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