リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】大学生のバイト教師

塾の指導ペースから脱線しない息抜き

 大手の進学塾は、詳細なカリキュラムが組まれていて、受験終了までレールの上に乗せられて運ばれていきます。ちゃんと運ばれていけばいいのですけど、猛スピードで進んでいるので脱線してしまうと元のレールに戻るのが大変なんです。周りに受験組が少ない場合は、何度か「なんで自分だけ塾に行っているんだろう?」「みんな遊んでいるときになんで自分だけ勉強しているんだろう?」という壁にぶち当たります。1日塾をサボって息抜きをして。それがもう1日増えて。と子どものペースで脱線を許していると、道を外れて迷子になります。煮詰まっていると思った時には、親の管理下で息抜きですよ。宿題が先にもらえるときは、休むときのものをもらっておいて、息抜きが終わったら即宿題開始です。切り替えが大事。ゲームは息抜きにならないですからね。息抜きは、自然に親しむ、体を動かす種類のものが頭を休めるのに効果的です。

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迷子になった子ども

 迷子になっちゃった子どもには、助けが必要です。大きく脱線すると、塾では対応しきれません。個別指導の塾に行くか、家庭教師をつけるか。進学塾に払っているのと同じくらいお金はかかってしまいますけどね。塾のカリキュラムを考えると、時間節約のために家に来てもらう家庭教師が現実的な解決法です。個別指導も家庭教師も1時間2,000円~5,000円が相場です。教師1:生徒2の指導の場合は、もう少し割安になります。プロの家庭教師だともっと高いところもあります。

 個別指導も家庭教師派遣も、大手の業者になると高くなる傾向があります。でも、気軽に先生の変更をお願いできるメリットがあります。塾なり家庭教師派遣業者独自の研修があるので、一定のレベルが保証されます。受験校の研究やサポートも組織としておこなっている部分があるので、安心でもあります。

中学受験を経験した大学生

 大学生になったムスメ、昨年度1年間は個別指導で6人の生徒の指導をおこないました。働く方からすると、結構ブラックなバイトで、指導計画作成やら指導終了後のミーティングやらで拘束時間が長いです。生徒が払う授業料の半分しか手元に届かないうえに、無給の拘束時間がプラス1時間もあると、何をしているのやらという感じですよね。

 個別指導で経験を積んだムスメは、今年度は家庭教師の紹介サイトに登録して、6年生の女の子を指導することになりました。低学年のうちから塾に通っていて、ここにきて迷子になってしまった子です。中学受験をした学生教師のニーズはあります。紹介サイトには、教師の年齢、性別、指導経験、訪問可能な地域、希望指導料金などが載っていて、生徒側が5,000円~20,000を払うと教師の連絡先がもらえるシステムです。教師側は登録無料です。業者としてはどれだけ多彩な人材を集められるかが勝負ですからね。紹介料に関しては、契約が不成立の場合でも返金がない場合と、契約成立の場合にのみ支払う場合とがあります。うまく見つかると、生徒側は出費が抑えられ、教師側は毎回の中間手数料をひかれることなくそのままの金額が指導料としてもらえるので、双方にメリットがありますよね。ムスメ、1時間3,000円 × 2~3時間分を毎回支払いでもらって帰ってきます。

 小学生には、プロ教師よりも年齢が近い大学生バイトの方が話しやすいかもしれませんよ。ムスメが担当することになった生徒は、父親が教育熱心すぎて煮詰まっている可能性大。今後ムスメがどのようにほぐしていくか興味津々であります。生徒にとっては、一緒に走ってくれるお兄さんお姉さんがいるのは心強いはず。塾の教材を全部捨ててしまってちょっと後悔です。

今日のひとこと:塾の教材は中学受験指導バイトの可能性を考えて残しておくべきでした