リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】費用対効果の想定域を超えて得られたもの

親には見せない顔

 北海道5泊6日の研修旅行から帰ってきたムスコを迎えに、厳戒態勢の伊丹空港へ行ってきました。前からわかっていただろうに、こんな日程で空港を使うとはチャレンジングな学校です。空港ビルの入り口は1ヶ所だけで、金属探知機を使って検査して、手荷物検査もポーチの中まで確認する徹底ぶりで一人にかける時間が長く、なかなか建物の中に入れませんでした。ようやく入れたときには、ちょうどムスコ達はゾロゾロと到着ロビーに出てきているところで、ムスコを見つけられないまま解散式の場所までついていきました。あと3分遅かったら空振りでした。危ない危ない。

 約220人の生徒と引率の先生15人ほどが集まって、研修旅行のまとめの話をされていました。先生が話を始めると、全員おしゃべりをやめて、全神経を集中させて聞いているのです。後ろの方には、声が届きにくいであろうに、それでも一生懸命聞いています。誰一人私語をしていないのです。

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 褒めてもらったり、楽しかったエピソードの話になったりした時には、拍手が起き、「よっしゃー」「おー!!」とどよめき、6日間の旅の疲れも見せず反応もノリもいい子どもたち。なんと素晴らしい集団なのかと感動しました。中学校に入学してから4年間粘り強く指導してこられた先生方に感謝するとともに、素敵な仲間に囲まれた環境にいることが、心からよかったと思えた瞬間でした。京都までバスで帰る同級生たちと別れて、空港から直帰のムスコは珍しく饒舌で、北海道での体験をしゃべり続けていました。

環境はお金で買えることもある

 これって、先生と生徒だけでなく、保護者を含めた関係者全員が作り上げる学校のカラーだと思うのですね。ムスメとムスコの受験を通してあちこち学校説明会に行き、親の私語が多い学校は、私はその1点だけで選択肢から除外しました。それぞれのご家庭の教育方針がありますので、それだけで?と思う方もいて当然かと思います。でも、あのときの選択は間違っていなかったと研修旅行の解散式を見て確信しました。

 私立学校に行くと、比較的同質な人たちが集まるので、その良し悪しはあるかもしれません。それでも、多感な時期に気の合う仲間を多く見つけられる環境が買えるのであれば、買えばいいと思うのです。教育というサービスと一緒に環境も買っているのです。

とは言うもののびっくりの金額

 そろそろ夏期講習代の引き落としがきますね。季節講習代は通常の授業料には含まれていなくて、お財布に大打撃を与えます。塾によって違いますが、15万円くらい。これに加えて、合宿がある塾は合宿代5~10万円が加算されます。同僚の娘ちゃん、2泊3日の算数合宿に参加するらしいのですが、7万円だそうです。心づもりがなかったら、なぜに3日間で7万円もするのか、しばらくモヤモヤしながら過ごさないといけませんよね。小学校6年生の1年間で塾に払うお金は、100~130万円です。そういうものだと割り切って、感情のスイッチはオフです。こんなに払ったのにこの点数?という思考になってしまうと、残念さがにじみ出てしまってネガティブ感情が子どもに移ってしまいます。得られるものは必ずあります。

 あ、夏期講習は全部取る必要ないですからね。時間のある夏休みは、苦手な分野の克服が一番取り組むべき課題です。1単元分だけ家庭教師を雇うのもありじゃないでしょうか。

今日のひとこと:貨幣価値に換算できないものを買っていると考える