リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】文化祭で生徒のポテンシャルを知る

学校説明会では見られない生徒の顔

 学校を知る手段として、学校説明会、入試説明会、合同説明会があります。カリキュラムや大学の合格実績、力を入れている活動などを先生方から直接聞くことができる貴重な機会です。いずれかには参加するとして、もう一つ考えて欲しいのが文化祭と体育祭。多くの学校で、入学希望者の見学を受け入れています。学校の指導方針の下で、どんな生徒が育っているのかを知ることができます。子どもは、入学したら経験できることを自分の目で確かめることができますよ。人格形成の時期にどんな学校生活を送るのかは重要です。ぜひぜひ訪問を。

ムスメの学校の文化祭(共学校)

 高校1年生と2年生が企画運営の中心で2日間開催です。書道や絵画の展示はあるものの、中学生は高校生に遊ばせてもらっている感じ。各クラス、教室でのエンターテインメント班とグラウンドでの模擬店班にわかれて準備が進みます。教室での出し物は、脱出ゲーム、メリーゴーラウンド、シューティングゲーム、占い、手品など多種多彩です。各クラス5万円支給されて、ベニヤ板やらペンキやら買ってきて製作するのは楽しそうなのですが。制服には派手にペンキをつけてきて、親は泣きます。その5万円はどこからでるのかというと、模擬店の売り上げなんです。よくできたシステム。たくさん売れても売れなくても売り上げはお上に没収されて、製作費として5万円支給されるということです。高校1年生と2年生は遊べないのではないかということになりますが、文化祭前日に1、2年生だけが体験する時間が設けられているんですって。

 クラスの出し物のほかには、茶道部、将棋部、競技かるた部など主に文科系クラブの体験会があります。夏休みの自由研究の展示を見ると、中学生、高校生が調べたものとは思えないくらい立派なものが並んでいます。一方で、模擬店会場のグラウンドではライブに出演する生徒が、固い学校のイメージを崩すパフォーマンスを披露します。このギャップも面白いです。

ムスコの学校の文化祭(男子校)

 こちらも高校1年生と2年生が企画運営の中心。3日間の開催です。初日はクラス対抗合唱コンクールで、午前中は中学生の部、午後からは高校生の部となっています。中学1年生は半分くらい声変わりしていなくて、しかも一生懸命でかわいらしいです。これが中学2年、3年になるとやる気のない子が増えていってなんだかバラバラ。精神的に成長してまとまった感があるクラスは1~2つくらいです。こんな子たちも高校生になると一気に雰囲気が変わります。クラスが団結してきて、真面目に取り組むようになり、高校3年生はどのクラスも、とっても上手です。男声合唱はお腹にズシンと響いて感動しますよ。成長の過程が見えて面白いので、私は毎年合唱が一番楽しみですね。

 2日目、3日目はいわゆる文化祭です。中学生は、「恐竜」「御所」「自動販売機」といった各クラスで決めたテーマについて調べたものを展示発表。高校生は、いろいろ役割分担があるのでクラス単位ではなく学年展示という形です。アミューズメント企画もありますが、ムスメの学校ほどは充実していません。

 各クラブの活動紹介のなかで、料理研究部は試食ができるので毎回訪れます。男の子がこれだけ料理できると未来は明るいなと。模擬店は、運動部と高校3年生が運営しています。今年の新顔はタピオカ。200円で普通に美味しかったです。

 この学校の特長は、楽器を操る生徒が非常に多いことでしょうか。各クラス3人ずつくらい、100人近くオーケストラ部に所属しています。演奏会で聴くと、それはそれは上手なのです。入場料をとってもいいくらい。中学受験を潜り抜けてきた子が、バイオリンやらクラリネットも弾くのかと驚きます。合唱ではピアノ伴奏をする子が各クラス2人ちゃんといて。進学校のイメージをこれまた壊してくれます。学校説明会ではわからない一面です。

 さて、今年のムスコ。中心になって運営する高校2年生とあって大忙しでした。バンド2つかけもちで10曲演奏し、ダンスパフォーマンスを披露し、演劇に出演してと、私も3日間楽しみました。写真をアップするのが禁止されていて、中の様子をお伝えできないのが残念です。というわけで、やっぱり訪問を。

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