リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【大学受験】天王寺高校の進路講演会で語る

先生も生徒もポテンシャルの高い学校

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 例年、大阪府天王寺高校では予備校の先生を呼んで進路講演会で話をしてもらっているそうです。今年はその講演会が私に降ってきました!!昨年、PTAの行事で京都大学を訪れてくださって、その際に私が30分ほど喋った内容がよかったので、ぜひ学校でも喋ってほしいということになったのです。自分自身が京都大学を出て、子どもも京都大学に通っていて、毎日京大生と接してという環境にいるので、喋ることはいくらでもあります。たくさんの人の前で喋るのも苦ではありませんし。

 天王寺高校SSHに指定されていて、進路指導は学校に任せて安心なのがいいですね。何人かの先生方と話をしましたが、ポテンシャル高いですよ。その先生方が、「魔の上昇スパイラルにはまっている生徒がたくさんいてスゴイ!」と生徒さんのことをべた褒めでした。私は天王寺高校に対して、文武両道というか、文武スパルタ式というイメージをもっています。昨日お邪魔したときはちょうどお昼休みで、グラウンドや中庭で運動をしている生徒さんがたくさんいました。インターハイに向けて、頑張っているのでしょうか。校舎には物理チャレンジや化学グランプリの入賞を祝う横断幕がかけられていて、お互い切磋琢磨しているのであろう様子を垣間見ることができました。

受験生の保護者が欲しい情報

 1時間40分と長めの講演でしたが、盛り沢山だったのであっという間でした。聞いたことがない生の情報がいくつかあったのではないでしょうか。そのなかで、みなさんが熱心に聞いていたと思われることを紹介。

 国公立の入試は分離分割方式をとっていて、前期日程で1校、後期日程で1校しか受験できません。これに加えて、中期日程の公立大学を受けることができ、最大3校。前期日程の大学に合格して入学手続きをした場合は、中期日程や後期日程の大学に合格することはないんです。受験はできます。でも合格はしません。逆に、入学手続きをしなければ、最大3校の合格がもらえます。ムスメは前期日程で京都大学に合格して入学手続きをしたため、中期で受けた大学から「不合格」通知をもらいました。「判定対象外」とか書いてくれればいいのに、不合格とは残念な表現ですよね。ま、本当に不合格だったのかもしれませんけど。

 ホテルの予約は早めにしておかないと、便利なところから埋まります。後からキャンセルは可能なのでとにかく早めに。ホテルによっては、電気スタンドやお弁当を用意してくれたり、大学までのシャトルバスを運行したりするところがあります。勝手がわからないところで、シャトルバスが使えるのは助かります。

 二次で受ける大学の下見は、まだ余裕のある夏に行っておいた方がいいとか。センター試験の会場の下見は年が明ける前に行っておいた方がすいているとか。そんな話もしました。

スマホとの付き合い方

 文科省の統計によると、現在、18歳人口のうち大学受験をするのは約半分です。そのうち9割がどこかの大学に進学します。日本全体でみると、大学進学者は半分に満たないのです。勉強をしない高校生に困っているとしたら。就職して社会貢献をし、税金も納める18歳がたくさんいるなか、本当に進学をしたいのか話し合うといいです。高校生ならちゃんと考えますよ。以前紹介した瀧本哲史さんの「ミライの授業」はお勧めです。天王寺高校校長の吉岡先生もお勧めの1冊です。

 そして一番の関心事はスマホ集中力が必要となる場面ではスマホは排除しなければならないのです。どうすればスマホを遠ざけることができるのか。

 ムスメの場合は、北野天満宮のお守りと交換でした。秋に預かって、受験が終わるまで一切触らず。なくても何とかなりますよ。ムスメの同級生で、親にスマホを預けたという人が他にもいましたから。子ども4人を東大理Ⅲにいれた佐藤亮子さんのお宅では、自宅ではスマホを巾着袋に入れて吊るしていたらしいです。少なくとも勉強をするときは側に置いていてはいけません。 

 天王寺高校の生徒さんでも、家では親が保管という人がいるそうです。使いたいときは「使わせてください」とお願いして貸してもらうんですって。タイマーで時間を計られて、時間になったら再び取り上げられるとか。受験生はそのくらいした方がいいです。お見事です。

 夏になるとだんだん受験モードになってきて、自らスマホを遠ざける人がでてきます。親の言うことは聞かなくても、友達がそうなっていると影響を受けます。自習室とか合宿に参加して、友達から刺激を受けるのがいいのではないかという一応の結論となりました。その他の話題についても追々紹介します。

今日のひとこと:受験生保護者共通の悩みはスマホのようである