リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】やる気を引き出す言葉を使う

選択肢があると選ぶ

 親は子どもに指図をしがちです。私たちの方が人生経験が豊富な分、子どもの行動や考え方が危なっかしく見えますけどね。抑えて抑えてグッと我慢です。頭ごなしに「あれしなさい、こうしなさい。」と言ってしまうと反発心だけが残って逆効果に終わることがあります。成長中の小学生が受験をするというのは大変なことで、精神的なダメージを受けると勉強に身が入りません。親や先生に叱られた、誰かと喧嘩をした、思い通りに事が運ばなかった、といった些細なことで一瞬にしてやる気を失います。笑っちゃうくらい一瞬ですよ。少し言い方を変えてみませんか。

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 選択肢を与え、提案しましょう。「算数の宿題は今日やっとく?明日にする?」「天体を先にやる?」「字の大きさが同じだと計算ミスしにくいと思うよ。」という言い方。反発が少なくなると、こっちのイライラも減ります。受験が近づいてくると、「今すぐやる?5分後にする?」と脅迫みたいな言葉をかけていましたが、それでも選択肢があると選ぶものです。

プライドをくすぐる話術

 自分はできるはずと思っていてプライドはあるのに、行動にうつせないタイプには。いろいろ教えてもらいましょう。「これどうやって考えるの?」「わかりやすい覚え方があるの?教えて。」「いつの間にそんなこと知ったの?どこで習った?」いちいち感心すると、嬉しくなって得意な分野は伸びていきます。

 ちゃんとお願いするのも手です。「家に帰ってきたら、最初にお弁当箱をだしてくれる?」「消すときはきれいに消してね。」「漢字は毎朝書いてほしいな。」と。命令口調になってはいけません。朝が苦手な子どもは、前日のうちに「明日は何時に起きる?」と一度確認しておくのです。「7時になったよ。起きる時間だね。」と起こすと、自分で決めたことは守ろうという意識が働きます。

具体的に褒める

 中学入試は背伸びした問題がでるので、実際に見て触って聞いて五感を使う経験を積むことが大事です。経験がないと想像力が働かないので。得た経験は、具体的に褒めると定着します。「今日は雲の色が違ったの?よく見てるね!」「道を聞かれてちゃんと説明できたのはすごい。」「一日で本を3冊も読んだなんて偉い!」など。それを少しだけ広げる工夫を毎回します。「今日のお天気は明るい感じだった?暗い感じだった?」「何を最初に説明したら道順をわかってもらいやすくなると思う?目印になるものはあった?」「楽しい話?悲しい話?読んだ本の内容を簡単に教えて。」これは、自分の言葉で説明する練習。かなり効果的です。

 テストの点数については褒めたりけなしたりする必要はまったくありません。「筆算の位がちゃんと揃っている。」「いつもより丁寧な字が書けている。」「大事な部分に線が引けている。」と当然できていて欲しいことを、褒めるのです。足りない部分は、「これができたらもっと良くなるね。」方式で。次回改善していれば忘れずに誉めてください。

今日のひとこと:褒められて嫌な人はいない