リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【介護】住民基本台帳って機能しているのだろうか

葬儀にかかる費用

 葬儀が終わったら葬儀屋さんへ支払いです。鎌倉新書の2017年の調査によると、火葬場使用料、式場使用料を含む純粋な葬儀費用の平均は、117万1,111円です。火葬だけだとだいたいどの自治体でも2万円程度なので、えらく膨れ上がりますよね。公営の葬儀だと、20万円くらいでおさまります。これには最低限の葬祭用品や進行スタッフ、会場費は含まれています。でも、遺影は必要だし、お棺の中の布団はいるし、花がないと寂しいし、大きい骨壺がいいし、お手伝いしてもらうスタッフはいた方がいいと言っているうちに公営の葬儀でもあっという間に倍になります。公営の葬儀にオプションで追加するものは民間の葬儀屋さんが準備します。なんかね、癒着しているという表現がぴったりなくらいに斎場職員と連携して進めてくれました。

 これに、会葬者へのお礼、通夜ぶるまいや精進落としの飲食費、寺院へお渡しするお布施が加わります。会葬者へのお礼が3~10万円、飲食費が20~30万円、お布施が30~50万円といったところでしょうか。もらう戒名によってお布施の金額が違うのが面白いところです。結局葬儀にかかる費用は一般葬で200万円くらいです。このうち、香典でまかなえる分もいくらかはあるため、150万円手元にあれば人並の葬式があげられそうです。

死後に必要な手続き

 役所に死亡届をだしたら終わりではないんですよね。死亡届をだしたら2~3日のうちに戸籍からは抹消されて、住民登録からも抜けます。4/12に死亡届を出して、2営業日経った4/16には除籍謄本と住民票除票がとれました。このあとの遺族年金脱退や金融機関解約やらで使うので、必要な書類です。

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 平成11年に住民基本台帳法が改正されて、各市町村の住民基本台帳のネットワーク化が図られました。行政の効率化を図るために、マイナンバーも導入されています。なのになぜ?健康保険、印鑑登録、障碍者手帳、介護保険、遺族厚生年金、特定疾患医療証の脱退、廃止手続きが全部違う窓口!!7年前と何も変わらない、何も便利になっていないことに愕然としました。しかも、喪主が届けないといけない書類があって、弟が喪主を務めたがために私は代理人となってしまい、委任状が必要だとのたまうのです。「委任状がいるなら最初から必要書類に書いておいてください。」と言ったら、「その書類の作成は担当部署が違いますので。」とアホなことを言うので、「同じ市役所でしょ!」と私には珍しく吐き捨てて席を立ったのでした。

 死亡届をだしたら全部ストップとならないのが不思議です。厚生年金と特定疾患の手続きは、市役所ではできなくて、それぞれ社会保険事務所と保健所に行かないといけないんです。さらに不可解なのが、全く使い道のなかったマイナンバーは、廃止となりませんでした。この先使う可能性がありますので持っておいてくださいと。いや、ないでしょ。

金融機関での手続き

 これは、最初に書類を集めるのが面倒です。故人の戸籍を出生までさかのぼったものと、相続人全員の戸籍を揃えます。相続人が誰なのかを確認するために必要な書類です。故人が本籍地を引っ越しの度に変えていたら、めんどくささ倍増です。相続人であることが確認されたら、相続人の誰かの口座を指定すると故人の口座は解約されて、口座に残っていた金額が振り込まれます。遺産分割協議書等は必要なく、ここは意外と適当です。相続法の改正によって、故人の口座が凍結されても預金額の3分の1に法定相続分をかけた額を各相続人は引き出すことができるようになりました。葬儀代を急に払えと言われても故人の口座からしか払えないという場合には助かります。

 生命保険の請求手続きもいりますね。母は、150万円の一括支払いで、545万円もらえるお宝保険に入っていたようです。葬儀代を払っても十分お釣りがくるプランでした。

 そして不動産の相続が待っています。これは法定相続分と違う持ち分で登記することになれば、遺産分割協議書がいります。相続登記は自分でやってみようかなと思案中です。面倒な事案ではないですし、何事も経験だと思っていますので。

今日のひとこと:悲しみに浸る暇を与えない煩雑な手続きが待っている