【中学受験】数字は何かの倍数になっていないかを最初に考える
算数頭を覗いてみよう
早速ですが、計算をしてみましょうか。どんな頭の使い方をしているか、確かめてみてください。
① 221+222+223+224+225+226+227+228+229
② 4.5×18
③ 28×4+12×14
④ 397×99
⑤ 207÷230
私の頭では5問で1分もかかりません。これが算数頭でなければ5分くらいかかってしまうことになります。まずは解説を。
① (221+229)+(222+228)+(223+227)+(224+226)+225=450×4+225=450×2×2+225=900×2+225=2025
*転記ミスのご指摘ありがとうございました!!私は落ちましたね。
足し算の順番を入れ替えて同じ数字を作る。
② 4.5×18=4.5×(2×9)=(4.5×2)×9=9×9=81
18のなかに2を見つけて小数を整数にする。
③ 28×4+12×14=14×2×4+14×12=14×(2×4+12)=14×20=280
28は14の倍数に気付いて加法定理を使う。
④ 397×99=397×(100―1)=39700-397=39700-(400-3)=39300+3=39303
99を100-1と考えて、先に397×100を計算して、後から397を引く。
397を引く際も、先に400を引いてから3を足すと楽。
⑤ 207÷230=(230-23)÷230=1-0.1=0.9
207は230より23小さい数字と気付く。
どうでしょうか?筆算は必要ありませんね。
算数頭は作るもの
子どもが闇雲に頭から計算をしていないか、一度確かめてみるといいですよ。工夫の仕方は学校でも塾でもさらっと教わります。4×25で100を作りましょうとか、同じ数字はまとめましょうとか。4×25の形にもっていくとか、同じ数字を作るところに工夫が要ります。これを自然に地頭でやっている算数脳の持ち主はは存在します。そうじゃない大多数の人でも訓練で算数頭を作ることができます。ミスなく楽に計算する方にシフトしましよう。
私が昔学習塾で教えていた生徒も、ムスメがバイト先で現在教えている生徒も工夫して計算している様子はあまり見られなかったので、もともと算数脳をもっている人は少数派です。ということは、便利な計算方法をちょっと知っているだけで頭一つ分リードですよ。算数頭で計算していなければ、しばらく横について気付きを与えてあげるのが近道です。塾では毎回計算方法までは指導していられませんから。
知っておくと便利な数字の性質
証明は省略しますが、これは知っておくと便利ですよ。
・各位の数字を足した数字が3で割り切れると3の倍数(例えば、852→8+5+2=15は3で割り切れるので、852は3の倍数)
・6の倍数は2と3の倍数でもあるので、各位の数字を足した数字が3で割り切れる偶数は6の倍数
・下2桁が4で割り切れる数字は4の倍数(例えば、5256→56は4で割り切れるので、5256は4の倍数)
・下3桁が8で割り切れる数字は8の倍数(例えば、397328→328は8で割り切れるので、397328は8の倍数)
・各位の数字を足した数字が9で割り切れると9の倍数(例えば、3672→3+6+7+2=18は9で割り切れるので、9の倍数)
・●5×●5=●×(●+1)が百以上の位で、下2桁は25(例えば、65×65=6×7×100+25=4225)
数字を分解したり、足し算やかけ算の順番を変えたり、同じ数字をまとめたり、あれこれ数字は動かしましょう。ひき算の順番も変えられますが、小学生は負の数の概念がないので、注意が必要です。