リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【京大理系研究室】文章はどれだけ簡単にできるかが勝負

Googleさんとの知恵比べ

 登録したアフィリエイトサイトから、「検索で上位表示されるには」という指南メールが届きました。記事を量産すること、1つの記事につき2,000字書くこと。へぇ!それを鵜呑みにしているようでは、京大生失格です。本に書かれていることは疑うことから始めないといけませんからね。ましてやメールで届く情報を、そうですかと納得している場合じゃありません。

 無駄に長い文章は読む気が失せませんか。文章はわかりやすく、短くするのが鉄則です。多くの言葉を駆使して冗長に難しく説明することは誰にでもできます。多忙な現代人にいかに短時間かつ正確に情報を伝えるかが頭の使いどころ。そのような質の高い記事をGoogleさんが拾えないのだとしたら、まだまだ人間様もコンピューターに対抗できるということです。

文書の構成は最初に決める

 研究機関では、講演要旨や研究報告書を書く機会が多くあります。短いものだとA4で1~2枚。半年~1年の成果を押し込む必要があります。真っ白の紙にノープランで書き始めると、バランスの悪い文書になりがちです。学生が書くと、研究背景が半分くらい占めていて、結果以降がとんでもなく短い、頭でっかち報告書ができあがります。何に一番スペースを割かなければなないかを最初に考えましょう。報告書の場合は、大事なのは結果と考察ですよね。背景1、目的1、方法2、結果3、考察2、結言1と配分を決めてから書いていかないと、「あなたの成果はそれだけですか?」と言われて、おしまいになってしまいます。

ひらがなを効果的に使う

 漢字とひらがなのバランスは重要で、漢字が多いと読みにくくなります。難しい漢字が使えるアピールはしなくてOK。副詞と接続詞は、迷ったらひらがな書きです。公文書では常用漢字を使う接続詞は、技術文書ではひらがな使用が推奨されています。

副詞の例:あまりに(余りに)、いかに(如何に)、すぐに(直ぐに)、ほとんど(殆ど)、はたして(果たして)

接続詞の例:あるいは(或いは)、および(及び)、ならびに(並びに)、ただし(但し)、ゆえに(故に)、したがって(従って)

 また、物書きさんが通常ひらがな書きする単語は、知っておくと重宝します。

例:できる(出来る)、こと(事)、いろいろ(色々)、なお(尚)、よい(良い)、一人ひとり(一人一人)

 漢字率が30%程度のものが読みやすいと言われています。漢字使用率チェッカーという便利なツールがあるので、一度自分が書いた文章の漢字使用率を調べてみるといいかもしれません。本日の記事の漢字使用率は29.5 %、合格ですね。

http://akind.dee.cc/kanjiritsuchk-input.html

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 よろしければ「京大生の就活事情 ~エントリーシート編~」もご覧ください。文章の書き方について言及しました。

gajumarun.hatenablog.com

今日のひとこと:文章は短くてわかりやすい方が価値がある