リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【京大理系研究室】京大生の就活事情 ~面接編~

世間の就活事情とは違った風景

 リクルートキャリアの就職白書2018(https://www.recruitcareer.co.jp/news/20180215_01.pdf)によると、学生は平均36社に資料請求や個人情報提供のプレエントリーを行っています。実際にESを提出するのが16社で、内定を獲得できるのが2社。かなり狭き門なのですね。大学院をでていく理系学生の就職は比較的スムーズなので、世間の常識はわかりません。20社も30社もエントリーするという話は聞いたことがなく、せいぜい5~7社程度。二次に進んだところから3社ほど面接を受けて内定をとってきます。めでたしめでたし。

学校推薦枠を使って狙いを定める

 就職を希望する企業に学校推薦枠あると、もっと簡単に進みます。行きたいと手を挙げて、誰とも競合しなければ優先的に選考に進めます。だいたい一次試験が免除で、二次から他の学生と混じって試験や面接を受けます。いきなり役員面接だったという話も聞きます。この場合、6月の1週目で就活すごろくあがりです。推薦一本では不安なため、自由応募の企業を受けている人もいますが、推薦枠の企業で内々定が出た時点で自由応募の企業にお断りの連絡をして終了です。

面接で落ちるのには理由がある

 ところが!学校推薦枠で落ちてくる学生がまぁまぁの頻度でいます。推薦で送りこんだ学生を採用しないとはなんぞやとお怒りの教授もいますね。でも、企業としては想像とは違う学生がやってきたのでしょう。面接で落ちてくる学生は、面接指導をします。そりゃ落ちてくるわ、と私は思うわけであります。

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目を見て話さない。目が泳いでいる。

結論から話をしない。冗長になりがち。

質問と答えがかみ合っていない。聞いていないことをベラベラしゃべる。

・手癖があったり、体が動いたり落ち着きがない

研究の話がまともにできない

話の途中で黙りこむ。分からないなら分からないと言えばいい。

 手癖、口癖は指摘されるまで本人は気付いていません。指摘することで改善します。研究に関しては、何を目的にどのようなアプローチで進めているのか、オリジナリティは何なのかがはっきりしていないとダメですね。面接は一方的に尋問を受けるのではなく、お互いのことを知ろうとする場です。相手の気持ちになって答えると緊張も少なく和やかに進むはず。

 企業の就職担当者に聞いたところ、偏らないようにいろんなタイプの学生を採用するそうです。コツコツ頑張るタイプ、発想が面白い人、勉強はイマイチでもみんなをまとめる力がある人、明るくて体力がありそうな体育会系の人。勉強が苦手でも、コミュニケーションに難があっても個性だと思って大丈夫です。

 基本的な受け答えができるようになっても内定がでないところは、ご縁がないところです。自分に何かが足りないわけではなく、その企業には活躍する場がないから働く機会が訪れなかっただけ。気にせずさっさと次の出会いを求めるのが正解です。

 

京大生の就活事情 ~エントリーシート編~ はこちら

gajumarun.hatenablog.com

今日のひとこと:面接はお互いを知る場と割りきる