リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】入室(入塾)テストという壁

最初の関門

 大手の塾に入るためには、入室テストを受けて合格しなければいけません。お金を払うだけではいれてもらえません。低学年では算数と国語の2科目。高学年になると理科、社会が増えて4科目のところもあります。オープンテストや入室テストが月1回程度の頻度で開催されているので、行こうと思った時に受けて合格すればすぐに塾に入れます。学年初めか季節講習から始めると、スムーズなスタートが切りやすいと思います。

 この入室テスト、学校のテストよりはかなり難しくて問題量が多いため、「あれ、全然書けない。」と、よくできる子ほど焦る可能性があるので要注意です。学校のテストとは違うよ、とアドバイスしておくと落ち着いて解けるかもしれません。不合格になる心配は、3年生まではあまりありませんが、基本的な計算や漢字ができなければ落ちます。4年生になると、読解力が必要な問題が増えてきて、制限時間内に全ての問題を解くことが難しくなります。そして学年が上がるにつれて入室を断られることが増えます。

 最近SAPIXの入室テストを受けた3年生のT君は無事に合格。算国の2科目300点満点で135点あれば合格だそうです。45%の得点率で合格って学校のテストとはだいぶ違いますよね。

入室テスト対策

 入室テストに合格しなければ、対策が必要です。SAPIX浜学園に入室するための対策塾まで存在しますからね。でも、保護者がちょっと手をかければ済む話です。計算でミスをしない、漢字を正確に書く、学校で習った範囲はすべて復習しておく、に注力しましょう。自分の書いた字が汚すぎて、ミスをしていませんか。「0か6か8かがわからない!」「なぜそんな狭いスペースで計算してる!?」「新種の漢字発見!」あるあるです。

 次に、質問に対する答え方が正しいか、要チェックです。(昨日の話とつながりますね。)「記号で答えなさい」には記号で答える。「なぜですか。」には「~だから。」と回答する。「抜き出しなさい。」と設問にあれば、余計なものを追加してはいけない。主語がない文章や「てにをは」がおかしな文章を書いてはいけない。そんな基本的なことが案外できていないものです。テスト後に面談があれば、お子様の解答用紙を見せてもらえるので、確認してみてください。びっくりするような文章が書かれていたら、音読から始めましょう。耳学習、効果ありますよ。

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クラスによって進度と宿題の量が違う

 入室テストにそれなりの点数で合格しても、上位のクラスには入らないことがあります。がっかりしなくて大丈夫です。上のクラスになるほど、同じ単元でも早く深く学習し、宿題の量も多くなります。最初から上のクラスに入らない方がいいですよ。塾のペースに慣れてからクラスを上がっていけばいいのですから。

今日のひとこと:入室テストをなめてはいけない