リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【京大理系研究室】京大生の就活事情 ~エントリーシート編~

水面下で動き出す就活戦線

 理系学生の9割は大学院に進学するため、学部卒で就職する人は少数派です。2020年春就職の修士1回生たちが動き出す季節になりました。現在は情報収集、自己分析中でしょうか。外資系は既に始まっています。会社説明会エントリーシートの提出は3月が解禁で、6月より選考・面接開始。12月~2月の間は、企業の採用担当者が教授に挨拶に来られ、卒業生たちも里帰り訪問と称して多数やってきます。公には説明会を開催できないため、卒業生が研究室内で「こんな仕事をしている。」アピールをして帰って行きます。

 学生側が積極的にアクションを起こさなくても、卒業生が釣り上げてくれるシステム。それに、推薦枠のある企業が相当数あるため、選り好みをしなければ余裕で就職ができる恵まれた環境に彼らはいます。でも、名前のよく知れた企業に人気は集中しちゃいますね。誰も行かないところに行けば新入社員でも大活躍できるのにもったいない。

エントリーシート(ES)が書けない学生

 普通に就職活動をする学生は、ESを書きます。自己PR、研究内容、志望動機、活躍を希望する分野、学生時代に注力したこと等、最近はたくさん書かせるところが多いです。200字、400字、800字と文字数を指定するケースもあります。800字は結構な文字数で、完全に作文ですね。ちなみに、私のブログは毎回1,000字を目安にしています。

 指定文字数があれば、プラスマイナス1割の量で書くのが暗黙のルールです。200字程度であれば、180~220字。200字以内であれば、180~200字。その基本がなっていないものが多いこと。50字程度で終わっているものを見ると、私なら即却下です。志望動機がコピペ使いまわしで、どの企業にでも使えるものは却下。あれもこれも興味があります、の八方美人も却下。自分を売り込む記述で具体性がないものも却下。毎年何人かの学生が、添削して欲しいとESの下書きを持ってきます。ほぼ落ちるESを100%通るESに直すのも、いつの間にか仕事になってしまいました。今年はマイナビさんが学内で書き方指導をしてくれるようなので、私の仕事が減ることを期待しています。

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文章は推敲に時間をかけると磨きがかかる

 志望動機云々以前に、そもそも文章が端的に書けていません。すっと入ってくる文章はだいたい以下のことができています。他人が書く文章を見てきて、リケジョ的に分析した結果です。

一文が長すぎない。読点で違う内容の文をつなぐと、ますます読みにくくなります。私の文章は、長くても60字程度です。

主語がきっちり書かれている。主語を省略して読み手に想像させるのは、相手に負担がかかります。

無意味な「が」が使われていない。「が」は逆説で使います。学生時代はテニスをやっていましたが、ボランティアにも精を出しました。こういう文章を書く人が非常に多いです。

不必要なかっこ( )書きがない。かっこを外せないか、最大限考えてください。

語尾の言い回しが単調でない。変化がある方がどんどん読めます。

京大生の就活事情 ~面接編~ につづく。

gajumarun.hatenablog.com

今日のひとこと:読みやすい文章を書くにはコツがある