リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】子どもの話を後回しにしない

子どものスマホ、ゲーム問題

 子どもの相手をしていると、あっという間に一日が終わってしまいますね。それでいいのです。あれもこれも新しいことばかりの子どもたちは、見てもらいたい、話を聞いてもらいと思っています。「ねぇねぇ。」と言ってきたときには、手を止めて話を聞くことに集中しませんか。ご飯を作らなきゃいけないし、洗濯物も干さなきゃいけないし、やらなければいけないことがたくさんあるのは分かります。私もそうですから。

 「後でね。」と子どもの話を後回しにすると、一番ホットな話題を逃します。聞いて欲しいと思ったときに話せないと話さなくなります。話を聞いてもらえずに空いた時間はゲームやスマホに奪われます。この積み重ねが子どものゲーム依存症につながるひとつの原因ではないかと私は考えています。目を輝かせておしゃべりする子どもの目を見て、じっくり聞いてあげましょ。部屋が片付かなくても、寝る時間が遅くなっても、オッケーです。

嫌でも寄ってこなくなる

 幼い子どもがまとわりついて自分のことが何もできないのは、複数子どもがいても、人生のうちほんの10年くらいです。貴重な10年を楽しまないともったいないです。空白の10年を作るか、異次元経験値アップの10年になるかは自分次第。寄ってくる子はギューっと抱きしめて、一緒に遊んでいるとそのうち一人で遊びだします。小学校高学年になってくると、ハグすると嫌がりだします。中学生や高校生になると、かなり嫌がってすり抜けていきます。そうなってくるとしめたもんですよ。巣立ち成功で自分の時間が確保できますから。情緒不安定になっているときは、何も聞かずに背中にそっと手を置いてやる。話したくなったらボソボソ話し出します。自然と離れるまでは至近距離で接し続ける、寄ってこなくなったら必要とされるまで近寄らない、というのが極意です。

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話を聞いてもらいたい欲求

 子どもだけではないですね、話を聞いてもらいたいのは。しゃべりたくて仕方がない大人がたくさんいます。だからスナックやバーに通う男性が多くいるのです。女性は、井戸端会議が得意なので、わざわざお金を払って話を聞いてもらいに行きはしないだけ。しゃべってストレス発散ができています。幼稚園ママは、子どもを園に送っていって、そのまま立ち話をしていたらお迎えの時間になったなんてこともありますから。

 とんでもなく多忙なはずの教授たちも、私のところにしゃべりに来ます。1時間くらい一方的にしゃべり倒してスッキリして自室に戻られる先生方を見ると、子どもも大人も一緒。社会的地位も関係ないと思うのでした。コミュニケーション力は話を聞くことから。なるべく話を聞く側に徹しようと思いつつ、昨晩はしゃべりすぎたと反省する自分がいます。

今日のひとこと:気が済むまで話を聞いてあげることが安心感につながる