リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【京大理系研究室】研究室で夜を明かす気持ち

徹夜で実験に徹夜で資料作成

 朝9時にやってきて準備を始め、夕方5時に都合よく実験が終わる、なーんてことはまずありません。研究テーマにもよりますが、15時間程度の連続実験はよくあります。実験が1回で終わることはこれまたなくて、卒業までには50回とか100回実験をするわけです。そうすると、実験開始時刻によっては何度か研究室に泊まることになります

 プレゼン資料が完成しなくて、徹夜で完成させることになる学生も毎年でてきます。自分は余裕でも、後輩の資料作りを手伝うことになって泊まる先輩学生もいて。研究室お泊り会は望まなくてもやってくる可能性が高いです。

寝ることにかけてはピカイチの人たち

 どこで仮眠するのかと言えば意外と充実しています。ソファやベッド、寝袋を備えている研究室が結構あるのです。もちろん毛布もちゃんとあります。ベッドが空いていたにもかかわらず、床に寝袋を置いて寝ていた学生がいました。背中が痛くなって寝すぎることがないからちょうどいいらしいです。器用にキャスター付き椅子を3つ並べて寝ている学生もいます。椅子の足に、鉄アレイで転がり防止を施していました。椅子に座って、壁におでこをつけて寝ている学生を見たこともあります。疲れてくるとどんな状態でも寝られるみたいですよ。朝出勤して、白目が開いた状態で寝ている学生を見つけるとギョッとします。

f:id:gajumarun:20181226104054j:plain

人口密度が高い時間帯は深夜

 追い詰められてくると、夜型になる人の方が多く、深夜24時が研究室の人口一番多かったということが毎年起こります。ランナーズハイな状態で、それはそれでみんな楽しくやっているみたいです。わざわざ遠くのラーメン屋さんまで車走らせて行ってみたり、待ち時間で麻雀をしたり、既に帰宅したメンバーに電話して寝かせなかったりと、しょうもないことやっていますね。

f:id:gajumarun:20181226073146j:plain

 みんなでワイワイやっているうちはいいのですが、終わった人たちが帰っていくと一人ぼっちになってしまうことがあります。普段20人くらいで過ごしている居室が一人になるととっても広いわけです。で、隣の実験室には夜通し動いているポンプや乾燥機があります。真っ暗な実験室で突然「ゴー」とか「ブオーン」と音が鳴るので、いちいちビクッとしなければならないのです。昼間なら気にならない音も深夜だととっても怖い、らしいです。

 そして無事に迎えた朝。廊下に日が差してくると、自分に後光が差している感覚に陥る、らしいです。

今日のひとこと:どこでも寝られる能力が役に立つ