リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】塾に入るまでの時間があるうちになんでも体験してみる

体験しよう

  一に遊び、二に遊び、三四がなくて五に遊びってところでしょか。体験したことはすべて経験となって蓄積されていきます。自分でやってみるのが一番。公園で遊ぶだけでも、草花や虫と出会います。タンポポは春に咲いてコスモスは秋に咲くとか、昆虫の足は6本に決まっているとか、教えられなくても知っているという状態、よくないですか。山、海、旅行、スポーツ等、アウトドアがいいですね。こっちが知らない石の名前までいつの間にか知っているし、虫の生態を熱く語ってくれます。ちょっと遠くへ出かる場合は、地図で場所を確認して、近くの名所もついでに訪れてしまいましょう。世界遺産や県庁所在地、寺院等、遊んでいるうちに覚えます。お出かけするならNHKブラタモリを見てからの方が断然面白いです。

全力で楽しむべきは大人

 ここで大事なことは、自分が楽しむこと。大人が全力で楽しんでいると、子どもたちも触発されます。子どものためというよりは、自分の興味の赴くままに計画してお手本を見せてあげられるといいですね。

蝶の羽化観察

 蝶や蝉の羽化観察が非常に面白いです。モンシロチョウアゲハの幼虫を捕まえてきて、虫かごで飼います。まじまじ見ると結構気持ち悪い。この子ら、ガツガツ食べて大量の糞をばらまきます。新陳代謝半端ないですよ。動きが鈍くなってきてやがてさなぎになります。これがまた落ちないように糸で支えて、とっても上手なんです。こっちもまじまじ見ると気持ち悪い、特にアゲハ。10日くらいすると体が透けてきて、そろそろ羽化するかなというのがわかります。いよいよだなという時には、中がすっかり見えるのでわかります。羽化する時間帯はよくわからないのですが、何度か観察してわかったのは暗いときには羽化しない。というわけで、明日には羽化しそうと思ったら一緒に寝室にこもります。翌朝明るくすると羽化を始めるのです。これが一番観察しやすいです。だんだん羽が広がってきて神秘的ですよ。気持ち悪いのが吹っ飛びます。羽化したら、逃がしてあげましょう。

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蝉の羽化観察

 続いて蝉の羽化観察。都会ではでっかいクマゼミが主流になってきましたね。私が子どもの頃はアブラゼミツクツクボウシもたくさんいました。地面が固いと蝉の幼虫が潜れなくなりますが、クマゼミは比較的強くて固い地面でも大丈夫なのです。というわけで都会はクマゼミばっかりになってきました。蝉は夜に羽化します。なので、夕方5~6時頃幼虫を探しに行きます。蝉の抜け殻が落ちているところや地面に穴が開いているところをまず探し、そのあたりの木の根元を探します。なるべく人の通り道から離れた遊歩道や公園の奥の太めの木を探すといいです。木をのそのそよじ登っている幼虫を発見できたら、連れて帰ります。どこで観察するかと言えば、カーテンです。下の方につかまらせます。木と勘違いして登り始め、ある程度登ったら動かなくなります。7時頃から羽化開始。背中がぱかーっと割れて、頭からでてきます。全身が殻からでたら、縮こまっていた羽が少しずつ広がってきます。緑色をしていて触るとすぐに潰れてしまいそうなくらいに繊細な姿です。これも神秘的で非常に美しい。だんだん羽が乾いてきて、色が濃くなってきます。このまま一晩放置で観察完了です。

 

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 カーテンにつかまらせるのは、落ちないようにするため。カーテンが一番確実です。足場が悪くて、羽化に失敗して落っこちちゃうことがあります。はい、我が家で落っこちるのを見たことがあります。その場合は、羽を広げることができず飛べない蝉のままです。そんな残念な結果を生まないように、最初からカーテンでお願いします。一晩羽を乾かした翌日は、元気に飛べます。逃がしてあげましょう。ま、蝉と格闘することになりますけどね。元気なんです、家の中を蝉がジーと言って飛び回る。網がないと突進してくる蝉に悲鳴をあげることになります。ご注意を。

今日のひとこと:体験しよう