リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】関西圏は出願開始です

大学入学センター試験と同日程の中学入試

 関西圏の中学入試は、大学入学センター試験と同日程でおこなわれています。一部の前受け試験がある学校を除き、来年は1月18日(土)が初日となります。ほぼ18日、19日、20日の3日間で勝負は終わり。

 同じ学校で、複数回入試があるパターンが結構あるので、どの日程で受けるか悩みますよね。第一志望、第二志望を初日午前と2日目午前にもってきて、3日目か初日午後に滑り止めを組み込むのが通常コース。せっかく頑張ってきたのだから、チャレンジ校をいれるものありです。調子が良かったり、入試問題との相性がよければ受かるかもしれませんからね。安全路線でいきたければ、滑り止めを初日か2日目の午前中にいれるプランになろうかと思います。

午後入試の乗り切り方

 最近は、関西でも午後入試が定着してきて、午前中の試験が終わったらすぐに移動して別の中学校で受験することが珍しくなくなりました。子どもも大変ですが、自宅に帰るには微妙な空き時間となるため、学校で待つことになる保護者も大変です。おじいちゃんおばあちゃんが元気で手伝ってくれるようであれば、この日くらいは甘えてバトンタッチしてもいいかもしれません。

 入試日の集合は、とっても早いです。塾によっては激励会があるので、学校が指定する集合時刻よりも早くいかなければなりません。朝7時半集合とか。昔を思い出してみると。「なんでこんなに早く行かないとあかんの~(涙)」と思いつつ6時過ぎの電車に乗ったら、私立小学校に通う6~7歳くらいの子が一人で電車に乗っていて、逆にこっちが励まされました。入試ウィークくらいは頑張りましょう。

 朝早く起きて、頭もフル回転するわけですから、午後からの入試は疲れます。そして次の日も朝から受験が待っています。初日の午後入試は、できれば2教科で受けたいところ。2日目の午後になると、もう頭の中は飽和です。空けておいた方が無難です。3日目に受験する人は特に。午後入試は、受けるにしても一つに絞るのがいいのではないかと思います。ムスメとムスコのときは、午後入試は出願しませんでした。3日間、朝だけ頑張る方針で通しました。精神的、体力的に乗り越えられるかどうかは保護者が判断してあげてください。

出願はwebで

 web出願が主流になってきた感じです。入試日程を選択して、受験生の名前と住所を入力して、決済方法を選べば終了。なんともお手軽な。その場で受験番号がわかって、受験票も自宅でプリントアウトです。ネットショッピングと違うのは、クレジット決済でも手数料がかかるということでしょうか。学校が手数料を払うなんてことはしてくれないんですね。出願した知人が、クレジットカードの決済手数料が770円もかかったと言っていました。ちょっと調べたところ、多くの学校で受験料とは別に500円~1000円決済手数料を払うみたいです。殿様商売で、お客さんには全然優しくないシステムです。

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 パソコンが家にない家庭は受験できないのかという不安。その場合は、学校に出向けば学校のパソコンを貸してくれます。パソコン作業に慣れていない人は。説明を見ながら、格闘するしかないですね。そんなこともありますので、不安な人は入試説明会には足を運んでください。手順をとっても詳しく教えてもらえますから。

今日のひとこと:一つは合格がもらえるプランを考える

 

【京大理系研究室】学祭期間の過ごし方

学園祭開催

 京都大学では、11月下旬に学祭があります。クラブ、サークルの資金集めやクラス親睦目的で模擬店をだしたり、パフォーマンスを披露したりと思い思いの形で自己表現ができる場です。お酒提供が完全禁止になって、夜になると暴れだす集団もいなくなり、健全な形で運営されているようです。久しぶりに覗いてきましたよ。ステージでは、女子学生が歌ったり踊ったりしている姿が目立ちました。屋外ではジャズ演奏やジャグリングなどのストリートパフォーマンスが繰り広げられ、建物の中での自主映画や脱出ゲームも賑わっていました。真面目に、全力で遊んでいます。親子連れが結構いたのが新鮮でした。小学生を連れて大学の学園祭潜入は思いつかなかったですね。

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 特別講演では、京都大学阿部竜先生が「人工光合成でエネルギーを変える!未来を拓く!」というタイトルで、私の尊敬する大阪大学石黒浩先生が「人間型対話ロボットと未来社会」というタイトルで登壇されたようです。面白かったはず。

お祭り期間の研究室旅行

 学祭は、学部生が中心になって運営されています。ラボに所属するのは学祭とはちょっと距離があるほぼ大学院生で、この期間は講義がありません。学生のみならず先生も講義がないというわけで、例年学祭期間に研究室旅行に出かけます。今年は近場の滋賀県へ総勢25名、車6台で行ってきました。琵琶湖を望む山の中に泊まり、美術館巡り、陶芸体験、忍者体験と芸術&スポーツの秋を満喫です。

 学生が企画する旅行なので、豪華な旅になることはまずなくて、今年泊ったのは山の中のバンガロー。こういうところには普通、夏に泊まりますよね。寒いのなんの。写真見返すだけで寒いです。ぺったんこのせんべい布団で寝て、背中が痛いし。大人には少々厳しい環境での宿泊でした。ただ、1泊3,000円で泊まれて全棟貸し切りというのは学生にとってはありがたい宿泊施設ですよね。奇声を発しても、深夜まで麻雀をしていてもどこからも苦情がこないですから。

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段取りと調整力を養う場

 企画担当者はかなり大変です。今年の上級生たちは例年に増してわがまま集団で、部屋割りや配車、活動企画、食事内容すべてにバラバラと自分の希望を言うのです。できる限りの要望を聞き入れ、対応できないことにははっきりと「無理です。」と先輩たちに言っている担当学生の姿はたくましかったです。タイムスケジュール通りに進むように、時計を気にしながら行動を促し、お金を管理して、戻ってきてからは精算が待っています。これだけのことに対応できたら、社会人になっても大丈夫かな。一人で仕切ったMちゃんに拍手。

 ルーズな学生が担当になると、全然タイムスケジュール通りには事が運びません。お城など入場時刻に制限がある施設に入れないケースが過去に何度かありました。収支が合わず、数千円の使途不明金がでたこともありますしね。まったくもって謎。その旅行代金、今年は「現金、振り込み、LINE pay で受け付けます」と。なんとも今どきであります。

 2年前はひどかったですよ。担当学生が私の車に日本語が話せない来日したばかりの留学生3人を割り振ったのです。みんな英語で話せるから車内で楽しく過ごせると思ったのでしょうね。当然道案内は何の役にも立たないし、LINEグループで連絡がくる集合場所も伝えてもらえないしで、困りました。車窓から見えるものを「あれはなんだ、これはなんだ?」と質問され、日本人が乗っていないので全部私が返事しないといけないし。運転に集中したいときは、はっきり言ってめんどくさい。「考えが浅い!」と休憩ポイントで私に責められて、すぐにメンバーチェンジとなったのは言うまでもありません。学生の間に、一度はイベント運営の経験をするべきではないかと最近思っているところです。

今日のひとこと:企画運営はやってみるべし

【京大理系研究室】アメリカ滞在を楽しむの巻

電動車いすが日常にある風景

 10日間のフロリダ出張から戻ってきました。行きは16時間、帰りは18時間も飛行機の中にいて、最後は暇を持て余すくらい遠かったです。ヒューストン→成田の14時間は、機内食2回に加えて、おつまみにサンドイッチにバナナにと起きているとどんどん食糧が供給され、映画を見ながらずっと食べ続けていた感じ。

 アメリカ訪問は4回目なのですが。毎度毎度、みんなでっかいと驚きます。特に女性が。私の3倍くらいありそうな人がいっぱいいました。太り過ぎて(?)自力で歩くことができず、電動車いすで移動している人も多く見かけました。ご夫婦で電動車いすに乗ってお散歩という光景も。もはや自転車みたいな感覚なのでしょうか。

 そこまで太ってしまう原因はやはり食生活にあるはず。私が訪れたほとんどすべてのレストランでは、一日の摂取カロリー目標は2000 kcalと記載がありました。でも、メニューに載っているものは単品で1000 kcalほどあるものが大半。カロリーオーバーになることが予想されるけれど、ご自身の責任でどうぞという印象を受けました。

アメリカ滞在中の食生活

 朝食なしでホテルを手配したので、食事は自分で調達。基本的には、バナナやリンゴ、オレンジを買ってきて食べて、昼と夜の重たい食事に備えました。昔、ホームステイをしていた頃は、ホストファミリーはシリアルとミルクを出してくれていました。アメリカ人も朝は軽く食べているはずです。

 昼は、学会会場のホテルのレストランで食べたり、スタンドで販売している軽食を食べたり。サンドイッチとかラップサンド、アップルパイなど。これがまた大きいのです。しかも10~15ドルもして、食べきれないのでもったいない。現地から参加していると思われる人たちは、持参したパンをかじっていましたよ。

 夕食は、レストラン。肉とエビとポテトは十分すぎるくらい満喫です。1皿の量が多くて、何人かでシェアしないと1つでお腹がいっぱいになってしまいます。ビール飲んで1人40~50ドル。普通の夕食感覚でいると、ややお高いです。今回は外れがなくて、どこのお店でも美味しかったですけどね。チップという制度があるため、飲食費に18~20%加算して支払うことになります。

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カード社会

 現金は、30ドルほどしか使いませんでした。電車、コインランドリー、ルームキーパーのチップくらいです。レストランで数人で割り勘をする際にも、お店が伝票をわけてくれるのでそれぞれカードで支払いです。チップもカード払い。30ドルの伝票に、チップ6ドルと自分で記入してカードで払う、そんな仕組みです。スーパーでも、カード払いだと割引になる商品が多くありました。学会会場のスタンドで売っている1~2ドルのお菓子ですらカード払いです。

 タクシーも、18%~20%のチップを選択してカード払い。今回配車アプリUberを使って移動をしましたが、事前登録したカード払い。これが便利でしたね。ホテルでタクシーを呼んでもらってもなかなか来ないので、キャンセルしてUberで呼んでみたらすぐにやって来るという。大きなホテルには、UberやLiftという自分で手配する車のピックアップエリアがあって、ここ数年でとっても浸透していることがわかりました。前回訪れた時にはそんな感じではなかったので。Uberは、行き先をいれると、車のクラスと金額が表示され、選べるようになっています。遠回りして余分な金額を請求される心配がなくて安心して使えました。領収書は日本語記載のメールで届きます。ほんと便利。

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 ホテルの隣はヘリコプターツアーの発着場だったり、向かいには室内スカイダイビング体験のiFlyがあってデモンストレーションを見学したり、道端で蛇を触らせてお金をもらっているおじさんと話したりと、非日常を楽しみました。ヘリコプターツアーは25ドル、意外と安かったです。体験せず。スカイダイビングは2flightで89ドル、そんなものでしょうか。体験せず。蛇は1人3ドルで貸し出し?していました。体験せず。

 学会発表して現地の人たちと交流するというミッションはちゃんと遂行してきました。

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今日のひとこと:現金は100ドルあれば十分でした

【大学受験】大学入学共通テストの英語民間試験見送りを受けての学校の対応

行事を任されてぐんと成長する高校2年生

 昨日、高校で進路説明会がありました。秋は文化祭、体育祭と行事が盛りだくさんで、高校2年生が中心となってすべてを進めていくなかで、とても成長したと先生方がおっしゃっていました。決められた枠の中で、何ができるか、どうすればみんなが納得して楽しめるかを考えて実行に移してくれたと話しているうちに、突然校長先生が涙ぐんじゃって、保護者以上に愛情を注いでくださっていることに感銘を受けた次第であります。体育祭では、すべてのクラスで担任や教科担当の先生に声がかかって連れだされ、一緒にダンスの練習をしたそうです。生徒があまりに熱心なので年配の先生が徹夜をして踊りを覚えたとか、そんな裏話も聞くことができ、ほっこりしました。

 受験に向けては、時間管理・タスク管理・メンタルコントロールが必要で、行事を通して身についたことを勉強に還元しよう。やらされる勉強から脱却しよう、という話を生徒たちにしたと報告がありました。先生方、熱いですね。子どもたちに伝えたことを保護者会で教えてもらえるのはありがたいです。男の子、しゃべりませんもん。

学校としての動揺はなし

 説明会では、高校3年生のカリキュラムと大学入試制度の話が予定されていて、そのなかでも民間英語試験については詳しく説明するつもりだったそうで、たっぷり時間をとってあったのですが、ごっそりなくなりました。記述式が入ろうが、マークだけであろうが、スピーキングがあろうがなかろうが学校の指導方針は何も変わらないので、心配することはありませんと断言してくれるところが心強いです。

 大学入学共通テストの国語と数学の記述問題もやめるべきだという世論があってごちゃごちゃしていますが、今のところ実施です。国語では、記述式は点数ではなく、A~Eの5段階で評価することとなっています。20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する問題が1問ずつ出題される予定で、解答時間は現行の80分から100分に延長です。

 数学Ⅰでは、数式を記述する問題、または問題解決のための方略等を端的な短い文で記述する問題が3問、マーク式問題と混在する形で出題。解答時間は現行の60分から70分に延長。これまでに計2回おこなわれた試行テストは正答率があまりにも低くて驚きでした。3問×2回の全6問で、正答率が1割を超えたのがたったの1問だけですもん。そんなまま突入ではありますが、受験生としてはやるしかない状況です。

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高校2年生後半のスケジュール

 というわけで、記述式が入った模試を今月から受け始めることになります。来週は、3教科の模試を、年明け1月には理科・社会も入った5教科の模試を学校の公式行事として受けます。2月の上旬にも模試があります。既に申し込みを済ませたGTECは、そのままキャンセルせずに受けましょうと。スピーキングもライティングも必要な能力なので、入試科目から外れるからやめるというのは学校の考え方とは違うそうです。問われ方が変わるだけで、教育課程の変更ではないですと、先生方はどっしり構えておられました。

 今から大事になってくることは、高い目標を設定すること。親は、「えー、それはやめといた方がよくない?」みたいなことは今は言ってはいけません。最後の最後に現実的な路線に落ち着くにしても、高い目標がないと伸びませんから。自分で決めさせること。そうじゃないと一生「あのときこう言われたから。」と言われちゃいますよ。昨日ムスコのボロボロの考査結果をもらって帰ってきましたが、本人は意に介さない様子で、哲学書を読みふけっていました。学校の勉強よりも大事なものがあるなら、それも良しです。

 さて、私本日より10日間出張で日本を離れます。今回はまぁまぁ長いですね。帰ってきたときに家がジャングル状態になっていないことを願います。

今日のひとこと:本質的な勉強方法は何も変わらない

【中学受験】中学合格がゴールではない

迷子になる子どもたち

 中学受験にかける時間、労力、お金はどれも大きくて、親のエネルギーにいたっては子育て人生の半分くらい費やすのではないでしょうか。一人目の子どもはいいんです、知らないから頑張れる。二人目、三人目となると、知っているだけにいばらの道です。だからこそ、どこでも入れるところではなく、行きたい学校にこだわってもらいたいと思います。

 世間一般が憧れる超難関中学校に入っても、不登校になる子どもがいます。だいたい中学2年生くらいから。高校進級時に自ら去る人もいれば、中学2年生の終わりころに肩を叩かれる人もいます。このまま高校にあがってもしんどい思いをするだけでしょうから、ほかの道に進まれる方がお子様のためではないですかと。超難関校にとってはいわゆるできない子はお荷物なのかもしれません。中学校を卒業して高校に入ると、内部進学組の人数が減っています。ムスメの学校でもムスコの学校でも。オイの学校では、高校にあがると同級生が20人ほど減っていたらしいです。友人の息子さんは学校を変わりました。別の友人の息子さんは学校に行っていません。誰でも知っている超有名私立校。おそらく皆さんが思っている以上になじめない生徒が多いです。

迷子になっても自分探しを続けられる環境

 ムスコも迷子になったうちの一人です。中学に入ったら、勉強をする意味がわからなくなりました。そういう子どもは多分、体の成長よりも心が早熟なのだと思います。やれと言われることを何も考えずにすることができないのです。それがどんな意味をもつのか立ち止まって考えてしまうのです。やったら楽しいだろうか、自分の人生に必要だろうかって。

 さまよい続けましたね、4年間。進級するのに問題なほどではなかったものの、トップくらいで中学入試を突破した(と言われました)生徒がここまで低迷しても見守り続けてくれた学校に感謝です。夏休みの宿題完成率2割程度で登校しても、怒られることもなく気付けば高校2年生。無理にやらせることはせずに、生徒がやる気になるまでひたすら待つ方針。種になりそうなものは、ばらまき続ける。学校は嫌ではなく、皆勤というところが学校の指導方針とあっていた証拠かなと。モヤモヤしつつも、居心地は悪くなかった模様です。

迷路から脱出したきっかけ

 アチェンジしたのは、ブラックホールを撮影したという今年4月のニュース。ほんと、何がきっかけになるかわからないものです。そこから宇宙と物理学関連の書籍を読み漁るという、普通の高校生とは違った方向に進みました。一通り読み終わったら、次は哲学に。倫理の授業で興味を持ち、分析哲学現象学が面白いと図書館で哲学書をMax20冊借りてきました。そして今は世界史と生物。過去の積み重ねで今があり、過去に失敗したことを繰り返さないためにも過去を知らなければならないと言っています。ムスコ曰く、人間の進化を学ぶためには生物も不可欠なんだそうです。進学校でありながら、あんまり勉強勉強と言わないおおらかな学校で、視野が広がった可能性が高いです。

 で、肝心なのかここから。「お母さん、大学受験に間に合わない。浪人しても怒らない?気付くのが遅かった。」と泣きながら昨日訴えてきました。「え、、今から浪人?まだ1年以上あるし、本気で取り組めば間に合うかもよ。」と言ったら、受験を突破するだけのテクニック的な勉強はしたくなくて、周辺の知識も身につけて大学生になりたいと言うのです。だから、どう考えても間に合わないと。勉強の本質的な意義を見つけたムスコ。子どものやりたいことを応援して、学費を払うのが親の役目なので、好きなようにどうぞと言いました。何になりたいかは見つけられていませんが、今何をしたいか、何をしなければいけないかは自ら引き寄せてきました。ここからは強いはず、と信じたい親心。母としては、現役合格の道を探りますよ。一般入試だけではなくAO入試改め総合型選抜試験も視野に、情報収集を進めたいと考えています。

 今は来週開催の京都賞記念講演会に行くのを楽しみにしているようです。英語スピーチだけど、同時通訳があるので高校生でも大丈夫。これが、学校行事ですからね。私立高校素晴らしい。

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 父親に、誕生日プレゼントは「理系総合のための生命科学第4版~分子・細胞・個体から知る“生命”のしくみ」が欲しいと言っていました。どんな高校生や。。そんなこんなの17歳の誕生日。おめでとう。

今日のひとこと:中学に合格したらあとは学校にお任せですまないこともある

【大学受験】大学入試英語成績提供システムの概要⇒導入未見送り!2024年度以降へ

失言の謝罪よりも大事なこと

 萩生田文部科学大臣衆議院文部科学委員会で「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と発言して、連日陳謝しておられますが。かなり機会均等からは離れた入試制度なので、経済的支援や多くの会場確保等、見える形で改善して施行にもっていってもらいたいものです。来年4月から受験が始まるというのに、実施会場はまだ全然わかりません。今年7月には英語検定試験「TOEIC」を運営する国際ビジネスコミュニケーション協会が、大学入学共通テストへのTOEICの参加を取り下げると発表していますし。混乱しまくりですよね。失言の謝罪よりも建設的な解決策を。

 これまでの入試と比べると経済的な負担が増えます。今年度の大学入学センター試験の検定料は、3教科以上成績通知ありの場合18,800円です。これに加えて、英語の民間試験を別に検定料を払って受けることになります。これがまた高い。一番安い英検(S-CBT)が5,800円~9,800円。多くの受験生が受けるであろうGTECが6,820円ケンブリッジ英検やTOEFLiBTは2万5,000円を超えます。2回まで受験OKだと言われたら、2回受けますよね。謎な試験なだけに、本試験までに1~2回は練習で受けることも加えると、英語だけで3万円くらい払うことになります。都市部に住んでいる人はまだいいです。宿泊が伴おうものなら、どれだけ負担するのやら。今のところ、住民税所得割非課税世帯の者、生活保護世帯の者、文科省「高校生等奨学給付金」受給者が受験料減免対象者です。結構ハードルが高いかも。
(2019年11月1日追記)次年度の導入見送りが発表されました。大臣の失言のおかげで不備が露呈したのかも?練習で受けるGTECの検定料払いましたよ、もうっ。高校としても準備を進めてきていて、週明けには進路指導担当から保護者向けの説明会が予定されています。どんな話になるのやら。

 民間の英語試験が行われたとしても、これまでと同様に大学入試センターは問題作成をおこなうことになっていたので、作問自体には影響を与えないと思われます。受験生は、これまでと同じ対策をしましょうということです。

共通ID発行の申し込みから

 共通テストに手を挙げている団体の英語の試験をいきなり受けられるわけではなく、まずは共通IDを発行してもらうことから始めます。この登録期間が、11/1から11/14までです。そう、明後日から始まります。明らかに準備不足だろと思うわけでありますが、受験生を抱える者としては申し込まないわけにはいきません。現役生は、センター試験と同じく高校からまとめて提出します。浪人生は?まだ今年度のセンター試験を申し込んだばかりなので、誰も浪人する気なんかないですよね。追加発行申し込み期間が来年1/27~9/10に設定されているので、申し込みは次年度も受験すると決まってからで大丈夫です。

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 共通IDの発行は無料です。令和元年11月から令和2年9月に取得するIDは、令和4年3月31日まで有効と記載があります。1浪までは同じIDを使えるということみたいです。めんどくささがなくなるとはいえ、1浪前提の制度はあまり気分がよくないですね。

 受験生は、このIDを使って民間の英語試験を受けるわけです。検定試験実施団体は、大学入試センターに成績を通知し、大学は大学入試センターに成績請求をするという仕組みです。

検定試験の成績は最大2回まで登録可

 大学入試英語成績提供システム(これが正式な名称!)に登録できる資格・検定の成績は、大学を受験する年度の4~12月の最大2回までです。同種の試験でも、1回ずつ異なる種類の試験でも可。体調不良や交通事情で受けられなかった場合は、回数にカウントしないため3回目の申し込みができます。普通に3回以上受けてしまった場合は、最初に受けた2回がシステムに登録され、いい方が成績として残ります。

 AO入試改め総合型選抜試験や推薦入試では、成績請求をする時期が早いことがあります。ギリギリに受けた成績は使われない可能性があるので、受験する時期はきちんと調べたうえで決める必要があります。受験期間A(4月~7月)に受けたものは9月から提供開始、受験期間B(7月~9月)に受けたものは11月から提供開始、受験期間C(8月~12月)に受けたものは2月から提供開始と冊子には記載があります。重複がある7月8月9月に受ける試験はABCのどれなのかはわかったうえで申し込まないと提供する英語の成績がないということになりかねません。冊子を読むだけでは、なぜ重なっている部分があるのかはさっぱり分かりませんでした。要注意です。

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今日のひとこと:共通IDがないと受験しても意味がない

【京大理系研究室】大学生の不登校問題

京都大学ノーベル賞受賞者数が東京大学に追いつく

 京都大学工学部出身の吉野彰さんがノーベル化学賞を授賞されました。現在の工業化学科ご出身です。京都大学工業化学科の同窓会組織である工化会では、毎年講演会を開催していて、5年前の講演会で吉野さんはリチウムイオン電池について熱く語ってくださいました。その時から、今年はノーベル賞くるかも?みたいな機運でしたので、関係者の皆様としてはようやくという思いだったのではないでしょうか。

 来月京都で開催される第60回電池討論会では、吉野さんのノーベル賞受賞記念講演がおこなわれます。ビッグなゲストに、参加を予定している同僚は喜んでいます。

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せっかく大学に入ったのに不登校

 ノーベル文学賞、平和賞を除いて純粋に研究の結果としてのノーベル賞を考えると、京都大学のほうが多いのです。研究環境として、京都大学の自由な学風がいいのでしょうか。何をするにしてもおおらかです。私が学生をやっていたころは中核派が建物を占拠していて授業ができないとか相当ぶっ飛んでいましたね。講義が始まる直前にヘルメットかぶって角棒を持ったお兄さんたちがゾロゾロ入ってきて追い出されたこともありました。そんなことはさすがにもうありませんが。普通は怒られるでしょと思うようなことも、経験として処理されます。外国で飲みすぎて救急車で病院に運ばれた学生も、パソコンをすられた学生も、パスポートをなくした学生も、「おまえアホやな。」で終了。経験を積んでたくましくなった=成長なんです。好きなことを好きなようにさせてもらえる環境は整っています。

 ところが、晴れて京大生になった若者がみんな自由な学風を楽しんでいるわけではなく、精神的にしんどくなって大学に来れなくなる人が少なからずいます京都大学の留年率は1割。好きなことやっていて留年、退学する人はいいのですけどね。大半はそうではなくて、病んでいます。

精神のよりどころを探す

 ラボに学生を20名ほど抱えていると、毎年1~2名は注意をしなければいけない学生がいます。世間一般と比べてちょっと多い印象ではないかと。不調になるのが自分でもわかって、カウンセリングに行ったり休んだりしてくれると安心なのですが、突然ブチっと切れてしまうケースが多いです。メールを送っても電話をしても接触不能だと、下宿まで出向くこともあります。睡眠薬を持ち歩いている学生なんかは、死んでいないか本当に心配になるので。誰かが気にかけ続けることが、彼らにとっては生命線なのです。これを決して切らないというのが、経験値をあげた私のミッションです。自ら命を絶った学生や卒業生の葬儀に参列するのがどれだけ辛いか。

 私のいるラボを卒業して、大学院は別のラボに進学した学生が3ヶ月間ほど不登校になっていると連絡がありました。教員がメールしても電話してもダメ、秘書さんが電話してもダメ。何とか連絡つかないだろうかとヘルプです。私が、「しゃべりに来ない?」と連絡したら、その日のうちにやってきましたよ。もともとメンタルが弱くて、休みがちなことは事前に伝えておいたのですけど、風通しのいい関係は築けていなかったということですね。話を聞くと、決定的に心に打撃を与える出来事があって、行きたい気持ちがあっても行けない状況に陥っていました。そんな状況を打開するのも教育者の仕事なんですけど。研究は一流でも、そのへんは下手くそな教員が多いですわ。へこたれた気持ちを吐き出す場所があるだけで、リセットできることがあります。

 サポートの必要な学生が、自分で課題を認識して何とか自立できるよう、私もかかわり方のレベルをあげていきます。

今日のひとこと:不登校学生を支える周囲のかかわり方ひとつで状況はかわる(こともある)