リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】体は食べたものからできている

健康の三要素

 健康な体作りに必要なものは、「栄養」「運動」「休養」という話を聞いたことがあるでしょうか。当然のことながら、成長し、生命活動を維持するためには栄養=食事が一番大事です。好きなものを自由に食べられる飽食の時代では、逆にどのような食事をとるのか選択することが難しくなっています。

 厚生労働省の2017年(平成29年)国民健康・栄養調査の結果によると、肥満者(BMI25以上)は、男性で29.7%、女性で21.9%にのぼります。食べる量は、体重を維持するエネルギ-量と同じでなければならず、大人は時々体重計に乗って、体重の変動がないように気をつけるのが一番簡単です。各種の栄養素を偏りなく摂取するためには、多種の食品を組み合わせて、1日3食を適当な量ずつ食べること以外はなさそうです。

 *BMI = 体重 [kg] /(身長 [m] )2

栄養状態が新陳代謝に与える影響

 私事で恐縮ですが、寝たきりの母を抱えています。動くことができないために、車椅子への移乗や2時間おきの体位変換介護士さんの力を借りて行っています。自分で動くことができないというのは、座り直すとか寝返りをうつ、姿勢を変えるという当たり前のことができないことを意味します。そのまま放置すると、ずっと同じところに体重がかかることになり、体が固まると同時に褥瘡(じょくそう)、いわゆる床ずれができます。褥瘡防止のマットを使って、ガイドラインに沿った体位変換を行ってもらっているにもかかわらず、既に母の体は褥瘡ができた状態で、完治の見込みはありません。これは、栄養状態が大きく影響していると考えています。母はあまり食べたがらず、食事として摂取する量が少ないために、仕方なく栄養剤で補給しているのが原因の一つではないかと思うのです。

 栄養素としては等価でも、大地のエネルギーをもらった食物と、工場でつくられた栄養素では身体活動、新陳代謝に与える効果が違うように思います。体の構成要素は食べたもの以外にはないですもんね。インスタント食品やレトルト食品は便利なので否定するつもりはありません。時間が足りないときには私もお世話になるので。ただ、これらが自分の体を作っているんだということを忘れないようにしておくと、口にする回数が減ります。カップ麺やめてバナナにしておくか、という感じで。母の状態を見て、口から穀物、野菜、肉、魚介類を食べることの重要性を実感しているところです。

食べ物で験担ぎをする必要なし

  体調が悪くなるとてきめんに分かることなのですが、体は必要なものを欲します。桃やリンゴを食べたいとか、味噌汁を飲みたいとか。一日3食、時間がきたら食べるという生活を休日は改めて、お腹が空くのを少し待ってみませんか。そのとき食べたいものが自分に足りていないものです。自然と体のバランスがとれていきます。

 さて、受験生の食事。験担ぎで「カツ丼」とか「おむすび」「ネバネバ食材」など言われていますね。油たっぷりのカツ丼を試験前日に食卓に出すのはやめておきましょ。苦手な納豆やモロヘイヤ、なめこもやめておきましょ。いつも通りが大事です。普段食べていないものを食べて体調を崩すようなことになっては、これまでの努力が泡となってしまいますからね。食べるものも、過ごし方も、睡眠時間もいつも通り。当然保護者もあたふたせずにいつも通りです!

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今日のひとこと:体が欲するものを食べる