リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【介護】認知症と向き合う

ダブルケアに奔走する女性

 母を登場させたので、介護カテゴリーを増やすことにしました。リケジョブログ読者の皆さまの中には、現在進行形で介護をされている方、遠くない将来直面する可能性が高い方が多いと思われますので、参考になればと思います。

 平成28年内閣府が発表した、「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」によると、育児と介護を同時に担うダブルケアを行う者の推計人口は、約25万人(女性約17万人、男性約8万人)でした。育児を行う者に占める割合は約2.5%、子育て中の40人に1人はダブルケアを行っている計算になります。ダブルケアを行う女性の就業状況をみると、無業と有業が半々で、有業のうち「仕事が主」な人と「家事が主」な人との割合もほぼ半々なので、フルに仕事をしながら育児も介護もしている子育て中の女性は160人に1人ということですね。選ばれし希少人種!ちなみに母は、レビー小体型のパーキンソン病で、認知症を併発する運動障害です。50代のうちに発症して、約20年が経過しました。

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認知症初期の異変に気付く

 お正月やお盆に帰省して、異変に気付くパターンが一番多いのではないでしょうか。

料理ができなくなっている。味付けがおかしい。

・薬の飲み忘れがある。

・趣味をやめている、人付き合いを避けて集まりにでかけなくなっている。

・日付や曜日がわからないときがある。

・部屋が散らかっている。物をしまった場所がわからなくなっている

同じ話を繰り返す

・ストックがあるものを更に買い込んでいる。

・今いる場所がわからず、道に迷う。

 複数当てはまれば、認知症の初期の可能性が高いです。

認知症の疑いがあった場合には

 初期では、日常生活には大きな支障はでません。「認知症だからすぐに病院に行こう。」と言うと、本人のプライドが傷つくかもしれません。おかしな行動に対して、指摘しない、否定しない、叱らないことが大事です。なんてきれいごと書いていますが、めちゃめちゃ腹が立ちますよ。子どものワガママよりもはるかに。病気がそうさせていると思って、深呼吸!!

 同居している人は、なるべく話しかけるようにすること。ご近所さんにも、「時々様子を見てもらえますか。」とお願いすること。集まりには積極的に参加するよう促し、忘れないように前日と当日に声かけをすること。一日でも長く普通の生活が続けられるように、声かけで補完するのが望ましい方向です。

 火の不始末や徘徊がでてくる可能性があれば、「心配だから。」という方向で認知症の診断を受けるといいと思います。本人が行きたがらなければ、第三者に促してもらう、健康診断として受診してもらう、知り合いの例を出す、などでどうでしょうか。認知症の診断を受けるメリットは、

投薬で治療が受けられる。

介護サービスが受けやすくなる。

認知症専門のサービスが利用できる。

です。ただ、投薬で治癒することはなく、症状の進行が抑えられるにとどまります。それでも本人、家族にとっては助かります。介護サービスは、介護認定を受けなければ利用できません。詳しくは後日お伝えします。この他には、最近増えてきた認知症カフェという情報交換の場もあります。

 最後に一番大事なこと。相談すべき場所は、地域包括支援センターです。各市町村が設置主体の、介護・医療・保健まとめての「高齢者専門相談窓口」です。ご両親が離れて住んでいる場合は、ご両親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談してください。介護保険の申請についても詳しく教えてくれます。

今日のひとこと:介護が必要なときには地域包括支援センターに相談