リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【介護】認知症特有の言動

妄想、幻視

 「財布がなくなった。」が「お金を盗られた。」に変わったら、脳の機能が低下してきています。これは認知症の症状です。身近な配偶者や子どもが犯人に仕立て上げられることが多いですけど、本気で腹を立てちゃダメですよ!病気がそう言わせているだけ。「一緒に探そうか?」と探してあげる。「でてこないね。また後で探してみよ。」でことは済みます。

 母には幼い女の子がいつも見えていたみたいです。食卓に彼女の分のお茶碗やコップを並べていました。「誰もいないでしょ。」と否定してはいけません。「今日は何しに来てるの?」と適当に聞いてあげると機嫌よくしていました。時々、祖父(母の父)も遊びに来ていましたね。「とーちゃんがきた。」と言っていたので。これは平和です。

徘徊

 徘徊にはだいぶ苦労しました。要介護1や2くらいは結構元気なんです。当時は、まだ働いていた亡き父と近所に住んでいた私とで母の介護をしていて、介護サービスを使っても空き時間ができてしまいます。仕事から帰ってきた父から「いないわー。」と連絡がきて、探しに行く、ということがよくありました。たいてい近くのスーパーで発見しましたが、見つからなかったことも数知れず。ひょこっと夜遅く帰ってきたり、近所の人が連れてきてくれたり、側溝にはまって動けなくなっているのを見つけた人が電話をくれたり、お巡りさんが確保してくれていたり、救急車で運ばれていたり。まぁ、いろいろ経験しました。本人は、「買い物に行ってくる。」とか「学校に行ってくる。(←全然行く必要ないですけど。)」と、ちゃんと目的意識をもって出かけています。で、帰り道が分からなくなるだけです。なので、あてもなく彷徨っているわけじゃないんですよ。

 家に帰れなくなって、身元不明者が施設で生活しているニュースも耳にします。そうならないように、服と持ち歩く可能性がある鞄には全て名前と連絡先を縫い付けておきます。だいぶ面倒ですけどね。それで連絡をもらったことは何度もあるので、有効です。他人様に重大な損害を与えてはいけないので、賠償保険には加入すべきです

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その他の症状

 排泄トラブルは筆舌に尽くしがたいです。大人の尿の量は子どもの比じゃないって説明しなくてもわかりますね。ま、親の下の世話はしないに越したことはないです。そういう役回りがきたときは、余計な感情を捨て去って、子どもと思って接するに限ります。

 感情失禁というのもあります。怒りっぽくなる人が多いみたいです。母の場合は突然泣き出します。何が起こっているのかは未だにわかりませんけど、歌ってあげると落ち着きます。

 最近のことは覚えていなくても、昔のことはよく覚えています。感情もなくなりません。残念ながら一番近くでお世話をしている人のことはわからなくなりますが、一気にそうなるのではなく、少しずつです。こっちの気持ちを整理する時間だと私は思っています。

 介護を経験すると、器が大きくなります。家事も育児も仕事も全然たいしたことではなくなります。というくらい大変だということ。使えるサービスは使いましょう。母を見てくださっている施設の職員さんに感謝!

今日のひとこと:感情的になる前に対策を考える