リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】学校教育に関心の高い保護者が学校を更に魅力的にする

保護者の学校愛

 人気の学校となると、通学時間が片道1時間半というのはざらで、2時間かかる生徒もちらほらいます。通学のために引っ越した人、親元離れて親戚宅に居候する生徒、新幹線通学する生徒までいました。そこまでして入りたい学校は保護者の期待が熱く、学校の先生も期待に応えるべく努力を重ねています。

 中学校最初の保護者会は、平日開催だったにもかかわらず、出席率100%でびっくり仰天でした。小学校の参観や懇談会は6年生ともなると参加率は50%くらいに落ちるのを考えると驚異的です。その後も極端に減ることはなく、6年間通して9割程度の出席率をキープしたまま卒業を迎えます。卒業式は保護者が涙なみだで、一体誰の卒業式なのか分かりませんね。

 PTA活動が盛んな洛星では、役員が決まらなくて困るということはなく、手が上がります。これも公立小学校では考えられない現象で、積極的に学校に関わりたい保護者が私立学校には多いと感じます。

保護者のつながり

 クラスやクラブ活動を通じての保護者同士のつながりは強く、体育祭や文化祭には連れだって参加する集団がたくさんあります。遠征の多い運動部や吹奏楽部が特に団結力がありますね。平日仕事をサボってまでランチ会には参加しないので、私は比較的ゆるいつながりですけど、それでも学校の情報を届けてくれる仲間はありがたいものです。

 ムスメが高校生の間はずっと学級委員を務めていたため、先生を通じて学校の様子がよくわかり、男の子のお母さん方に情報提供をすると非常に感謝されました。男の子、しゃべりませんもん。私もムスコの学校のことはさっぱりわかりません。

私立学校のPTA活動

 学校のことを知ろう、子どものために動こう、保護者間のネットワークを作ろうという活動が中心です。講演会やクラス懇親会の企画と準備が主な仕事で、そんなに大きな負担はありません。小学校のPTAのように、広報委員や文化委員といった「それ必要?」という活動がないため、心理的な負担も小さいのではないでしょうか。

 ただ、高校3年生で役員をすると謝恩会という大きな仕事が降ってきます。でも、謝恩会世話人を募ったらあっという間に10人もお手伝いが集まるくらいみんな協力的だったので、一人で抱え込む状況にはなりませんでしたよ。生徒から一言メッセージを集めて先生にプレゼントするアルバムを作り、6年間の写真をピックアップして音楽付きでスライドにまとめ、全員で楽しめるゲームを考え、アイデアを形にしていく作業を楽しみました。3月1日という入試真っ最中の時期に卒業式、謝恩会が開催されても気持ちが入りきらない子どもたちをよそに、やっぱり母たちはみんなでボロボロ泣いたのでした。

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今日のひとこと:自発的なPTA活動は楽しい