リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】空間把握能力はブロックで養う

幼少期に遊んだおもちゃ

 算数では図形の問題がよく登場します。

・サイコロの展開図の一部のみ数字が記載されていて、空白の面の数字を問う問題。

・立体をバッサリ切って、断面積や体積を問う問題。

・展開図からできあがる立体の形を想像して、体積を求める問題。

・平面図を一回転させて立体になった体積を問う問題。

たとえばこんな感じです。今年の駒場東邦中学校の入試問題。

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 この手の問題は苦手な子はずっと苦手なままです。苦手ならまだいいのですが、さっぱりわからないと言う子もいます。一方で、難なく解く子もいるわけで、図形が得意な子に思いあたる節を聞いてみました。積み木が好きだった、ブロックで遊んでいた、折り紙が得意だった。なるほど!幼い頃に与えられた玩具が空間把握能力に繋がっていた可能性が高いようです。ムスメもムスコも立体には全然苦手意識はないですね。確かに積み木で遊んでいました。ブロックもLaQ(ラキュー)もありました。

レゴブロック派?ダイヤブロック派?

 私はダイヤブロック派です。レゴブロックはパーツが細かくて、乗り物に関しては特にこだわりの部品が多く、作りたいものはだいたい何でも作れます。でも、しっかりとはまるため一度組み立てたものをはずすのが困難です。小さい部品、薄い部品は外れなくて「爪が割れる!」ということを何度も経験して嫌になりました。後から知ったのですが、「ブロックはずし」なる道具が売っているんですね。そんなものを使わなくてもはずせるダイヤブロックの方が好きです。レゴよりも色が明るいですし。

自分を空間に置く

 立体を作る遊びもいいですが、木登り、ジャングルジムは自分が動いて物を立体的に見る経験をするのでいいと思いますよ。私は木登りが得意でした。頭の中で物を上から下から眺め、クルクル回転させることは苦になりません。方向感覚が抜群にいい人にコツを尋ねてみたところ、常に地図の上を歩いている感覚だと言っていました。自分を空間に置いてみる練習は空間把握能力アップに効果ありそうです。とはいえ、1回2回木登りしたところで、多分立体問題ができるようにはなりません。わからない問題は、作ってみるに限ります。展開図をコピーしてハサミで切り取って組み立てるのです。その際、どの辺とどの辺が重なるのかをちゃんと確認することを忘れないでください。そのうち、頭の中でどのように重なるのかがわかるようになります。私も子どもたちと一緒にたくさんの立体を組み立てましたよ。

今日のひとこと:図形問題につまずいたら自分で立体を作ってみる