リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【大学受験】大学入試まで残り1年にして進路変更

突然の文転宣言

 進路変更はしなくていいいように、しっかり考えて慎重に文理選択、科目選択をしてから1年が経過。高校3年生にあがるタイミングで、これでいいですね、と最後の確認がありました。進路変更の届け出の提出期限が1/31で、30日の夜に「文転することにする。」と突然ムスコが宣言。え、、なんですと?どういうこと??傍から見て頭脳は理系向き。私が混乱ですわ。情報系かなぁ、と言っていた進路は文学部哲学科に。

息子が抱えたモヤモヤ解消へ

 さいころから体験型のイベントにはあちこち参加して、つい最近も自ら選んだ京都大学ELCASの数理工学コースを修了したばかり。倒立振子を制御するモデリングをおこなっていました。ラグランジュの運動方程式から漸化式を導き、推定パラメーターを決め、実証実験をするというそれなりに本格的な研究です。研究発表を終えて、自分がやりたいことはこれではないなと悟ったらしいです。

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 量子力学、宇宙物理学の書籍を一通り読み漁った後は、哲学、経済、歴史の本へと移り、一番興味がわいて、もっと深く知りたいと思ったのは哲学だったんですって。微分方程式を自在に操る哲学者も悪くないか。進路変更をする理由とお願いを自分の言葉で書いて、滑り込みセーフで届け出ました。これで無事に受験モードになるかどうかは今のところ不明ですけど、スッキリした表情はしています。

 思い返すと、学校の宿題をしない子でした。なぜ宿題をしないといけないのかがわからない。みんながしているからという理由では動かない子でした。今も、「なぜ人は他人や世の中に貢献したいと思うんだろう?」と言います。それが良い悪いではなく、単純に疑問に思っているのです。この先、独自な理論を確立するかもしれませんね。将来の楽しみが増えました。

学校の反応

 届け出を提出したら、すぐに電話がかかってきましたよ。1/31に電話があって翌2/1に早速担任と面談です。親としては、「この時期の変更でご面倒をおかけします。よろしくお願いします。」と言うしかないです。本人が決めたことは全力で応援するのみ。親子で覚悟を決めていたら、そんなにごちゃごちゃは言われません。理系を選択したことで抜け落ちている文系科目を自力で何とかしてくださいとは言われますが。それは本人が一番よくわかっていることでしょう。

 聞くと、学年に3人程度(1~2%)は進路変更をするようです。ここで決めた進路を一生背負っていくわけでもないですが、前を向いて進んで欲しいと思うのでした。

今日のひとこと:すべての経験が進路選択に役立つ