リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】統計でみる中学受験

お受験熱が高い地域

 文部科学省が毎年実施している学校基本調査の結果をもとに、私立中学にフォーカスした分析をしてみました。

 H30年度の統計で、全中学校数に占める私立中学校の割合が10%を超えるのは、東京(23.3%)、京都(13.5%)、神奈川(13.4%)、大阪(12.0%)、兵庫(11.1%)、広島(10.4%)の6都府県です。一方、山形県は私立中学校が全くなく、県内に私立中学校が1校だけあるのは、秋田県富山県でした。

 中学生全体のうち、私立中学校に通っている子どもの割合が高いのは、東京(24.8%)、高知(18.0%)、京都(13.2%)、奈良(12.4%)、神奈川(11.0%)、広島(9.8%)、大阪(9.5%)です。男女比は、東京が47:53、高知が48:52、京都が46:54、奈良が57:43、神奈川が47:53です。全国でみると、48:52で女子の方が私学に通っている割合が高い結果となっています。

f:id:gajumarun:20190608115233j:plain

統計からわかるこの20年の傾向

 10年前のH20年度の学校基本調査のデータを見る限り、傾向に変化はありません。私立中学校が多いのは、東京(22.4%)、京都(12.3)、神奈川(13.2%)、大阪(11.7%)で、私立中学校に通う子供の割合が高いのは、東京(26.5%)、高知(16.1%)、京都(12.2%)、神奈川(12.1%)、奈良(11.7%)、広島(10.3)、大阪(9.9%)です。特筆すべきなのは、高知県は私立中学校の割合が高いわけではない(H30年度6.2%、H20年度5.8%)ものの、私立中学に通う生徒が多いということです。

 政府統計の総合窓口e-Statにアクセスしたついでに20年前のH10 年度のデータも拾ってきました。私立中学校が多いのは、東京(20.9%)、神奈川(12.7%)、大阪(11.3%)、京都(10.2)で、私立中学校に通う子供の割合が高いのは、東京(23.5%)、高知(14.6%)、神奈川(10.5%)、京都(9.9%)、大阪(8.6%)、奈良(8.0%)、広島(7.6)です。やっぱり高知県多いですね。この20年で、私立中学校数が大幅に増えたのは、埼玉県の18校、静岡県の12校、東京都の9校、長野県の6校です。青森県富山県は20年前には私立中学校はありませんでした。一方で、宮城県山形県愛媛県長崎県では、1校ではありますが私立中学校が減っています。

分析結果のまとめ

 この20年で、中学生の人口は、4,380,604人(H10)→3,592,378人(H20)→3,251,670人(H30)と着実に減っていますね。112.9万人、率にして25.8%です。ところが、私立中学校に通う生徒数は、238,599人(H10)→257,102人(H20)→238,326人(H30)とほぼ横ばいのため、私立中学に通う生徒の割合は、5.45%から7.16%に増えています。私立中学校の数は、この20年間で117校、15%増えたので、選択肢が広がったといえます。

 私立中学校へ通う中学生の割合が大幅に増えたのは、長野県(4.3倍)、島根県(4.3倍)、埼玉県(3.4倍)、宮崎県(3.2倍)、新潟県(2.9倍)、大分県(2.6倍)です。私立中学校に通う生徒数で比較すると、人口減にもかかわらず大幅に増えているのは、宮城県(1.5倍)、栃木県(1.3倍)、三重県(1.3倍)、徳島県(1.6倍)、鹿児島県(1.3倍)です。首都圏、関西圏以外の地域ばかりですよ。

今日のひとこと:お受験は着実に地方にも広がっている

f:id:gajumarun:20190917185023p:plain