リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【中学受験】お受験ママは仕事を辞めるべきかどうか

まずは宿題の量を把握

 塾の新学年が始まって、2ヶ月が経ちました。そろそろ塾のペースに慣れてきたでしょうか。自分で宿題の管理ができるのはほんの一握りの子どもだけです。何曜日にどの宿題をするのかを一緒に考えて、ちゃんとできているかどうかまで確認しないと、宿題ができないから塾に行きたくないモードに突入してしまいます。パパでもママでも構わないので、誰か一人をスケジュール管理担当にしておくといいです。あちこちから言われると混乱するので、担当は一人がベスト。ついでに、小言担当も一人でいいですよ。二人、三人でガミガミ言うのは厳禁。子どもには逃げ道を作っておいてあげないと、息が詰まってしまいます。

働くママの踏ん張りどこは4年生からの3年間

 このスケジュール管理は、働くママにとってはかなり負担が大きく、仕事を辞めたくなるかもしれません。大いに悩んで後悔のない選択を。親友たちの間では、仕事と子育ての両立を巡る問題は何度となく話題にのぼっています。私たちの世代以降は自分一人で生きていけるように教育を受けてきたので、子どもが産まれたくらいでは辞めなくなりましたよね。認可保育園に入れなくても、お金を出せばどこかは見つかります。近隣に実家がなくても、ファミリーサポートという強い味方がいます。

 最初の壁は小学1年生です。保育園ではみんな遅くまで残っているのに、小学生になると半分以上は放課後遊ぶ約束をしてさっさと家に帰るため、学童に行きたくない子どももでてくるわけです。それに、学童は保育園よりも早くお迎えに行かなければいけない場合もあり、物理的に厳しいです。自分で時間割を合わせて、宿題をする習慣をつけさせるのにも一苦労。でも、なんだかんだで頑張れます。

 問題は、お受験を決めた4年生からの3年間です。本当に大変なのはここからだとは、誰も教えてくれなくて、何が何だかわからないくらいのスピードで流れていきます。働きながら受験勉強するくらいの覚悟がいります。

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辞めなくても受験生最優先で

 朝のうちにお弁当を作って、夜帰ってから週4日欠かさずお迎えに行き、時間管理と宿題把握、プリント整理をおこなうのは、大きな労力を要します。休日は弱点確認と学校研究が待っています。正直言って、しんどかったです。誰にでもできるとは決して言えません。
 私立中学校に入ると、お医者さんをはじめとするキャリアママもいて、上手く両立してきた人たちがいるのは事実です。一方で、自分の仕事を優先して、子どもは希望の学校に入れなかったという友人ママもいます。仕事と受験結果の因果関係はわかりませんけど、後悔が残ると言っています。

 子どもが6年生になる親友ママは、この3月で仕事を辞めて、お受験ママに専念です。時には終電にもなるバリキャリの新5年生ママは転職を検討中。「ヒマな仕事に変えて、宿題管理のお手伝いをしようか?」と子どもに聞いたところ、「パパが仕事と家事で忙しくて疲れたって言ってるから、パパは家事しなくて喜ぶね。」と言ったとか。いやいや、パパを楽にさせるための転職じゃないってば。子どもの受験サポートのために転職するのに、受験とは関係なく家事負担が増えたらママの機嫌は確実に悪くなりますよ。世のパパたち、ご注意くださいませ。

 新4年生のママは、今のプロジェクトが終わったら、残業しません&夜の会食には参加しません宣言をすると言っています。仕事と子育ての両立ができている人は、きっと優秀な人です。定時退社が不利益に働くような職場であれば、自分のためになる職場なのか、よく考えた方がいいかもしれませんね。

 仕事とお受験ママ両立の着地点をどこにするかは家族会議にかけて決め、なるべく多くの協力が得られると気持ち的にも楽になります。女性活躍が求められる社会で働いてきて、ここで断念するのは後に続く世代のためにならないと思う人には、是非続けていただきたいです。そして、自分の子どもをしっかりと育てるのも、次の世代を作る大きな仕事です。仕事を続けても、一時中断しても、活躍していることには変わりはないです。道は開けます。一緒に頑張りましょう。

今日のひとこと:仕事の替えはいても、母親の代わりはいない