リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【大学受験】表現力を磨く

大学入学共通テストで導入される記述式問題

  2年後からはセンター試験に代わる大学入学共通テストで記述式問題の導入が決まっています。「知識、技能」だけでなく、「思考力、判断力、表現力」を重視する方針です。2024年度以降からは地理歴史・公民や理科分野にも記述式の導入が検討されています。2018年6月に大学入試センターが発表した、「大学入学共通テスト」における問題作成の方向性等によると、国語では、20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する問題がそれぞれ1問ずつ出題される予定です。解答時間は現行の80分から100分に延長されます。

 数学Ⅰでは、数式を記述する問題、または問題解決のための方略等を端的な短い文で記述する問題が3問、マーク式問題と混在する形で出題される予定です。解答時間は現行の60分から70分に延長されます。

全ては経験がベース

 記述式が入って大変なのは採点者くらいで、受験生が恐れるものではないかなと思います。58万人も受けるテストで、二次試験のような難解な問題を出せるわけないですもん。誤解を生まないような無難な記述式になることが当然予想されます。それでもやっぱり、マーク式と記述式は大きく異なります。思考力や判断力、表現力を磨くためには、多くのことを経験すること。ゲームなんかしていないで、外に出ましょう。何でもやってみましょう。

 東京の武蔵高等学校中学校は非常に興味深い学校です。敷地内に川が流れ、タヌキが生息しているというだけで十分に面白い。ホームページを開くと一番最初に「自ら調べ自ら考える」とでてきます。校外学習はすべて現地集合、現地解散だそうです。山上学校では、事前に地図の読み方を教わったうえで、自分たちで山歩きルートの計画を練り、3泊4日の日程で遂行します。この行事が中学1年生で行われるのが凄いところ。また、この学校は第二外国語を学ぶことになっていて、優秀な生徒には英語圏以外の2ヶ月間留学のご褒美があります。提携校で学び、ホームステイさせてもらうこのプログラムも現地集合、現地解散。卒業生たちの思考力、判断力は抜群でしょうね。

学習で鍛える表現力

 みんながそんな特殊な環境にいるわけではなく、学習で補っている部分ももちろんあります。ムスコの高校では、100字要約に取り組んでいます。文章を読んで、ひたすら100字にまとめる。何が大事かを読み取る練習ですね。本を読む習慣がなくても、様々な分野の文章に触れて世界が広がります。これは表現力がつきそうです。

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 が、真剣には取り組めていないムスコ。半ドンの土曜日は8時間、終日フリーの日曜日も6時間エレキギターに励む週末。音楽の授業の何でも発表会に向けて猛練習でした。大石昌良の「ようこそジャパリパークへ」を演奏することにしたそうです。ひいき目ではなく上手です。級友たちには公言せずひっそりと2年間毎晩欠かすことなく練習を積んできたエレキボーイ、2週間後に衝撃のデビューを果たすことになります。ま、これも表現力か。

今日のひとこと:五感をフルに使って体験する