リケジョ的教育のすすめ

京都大学工学部で学び、現在は京都大学で働く正真正銘のリケジョ。中学受験と大学受験を経験した子どもたち、一緒に研究をしている学生から得た教育の極意を伝授します。

【大学受験】私立中高一貫校生が塾に行くのはもったいない

高校進学しない生徒

 中高一貫校のメリットは、高校受験がないこと。精神年齢の高い一部の子を除いて、反抗期の子どもたちに勉強させるのは至難の業ではないかと想像します。その点、中高一貫校では高校の勉強についていけないと判断されない限りは進学が許可されます。一方で、校風にあわないと、別の高校に進学する生徒もいます。灘中学校に不合格で洛南中学校に入った生徒が高校で再挑戦し、灘高校に進学したケースがありましたね。勉強についていけなくて学校から肩を叩かれたり自ら去ったりする場合もあります。

 いずれにせよ、高校受験をする場合は少々エネルギーが必要です。周囲のお友達は誰も受験勉強していませんから。気が付いたら高校にはいなかった生徒がいるという話はどこの学校であっても聞きます。中高一貫で高校から受け入れをしていない学校で、中学から高校にあがるときに1割以上の生徒が減るところもありました。そのような残念な回り道をしなくてすむように、学校選びは慎重にしてほしいと願います。

中学生の間は自宅学習で十分

 小学生に間にたくさん勉強をしてくるため、中学校に入って勉強がいきなり難しくなるということはなく、むしろ余裕すぎて勉強しなくなるパターンが多いかもしれません。中学生になれば塾へという公立中学校のような流れはなく、3年間クラブ活動や習い事が思いっきりできます。

 ただ、授業はそれなりのスピードで進み、中学2年生までで中学3年間の勉強は終わります。灘では数学に関しては中学生の間に高校2年生までの学習内容が終わります。無償で配布される教科書では内容が不足するため、独自のプリントで学習する学校が多く、公立中学校よりは深く学習しているのではないかと思います。学校の先生は、「塾へ行かなくても学校の勉強をするだけで大丈夫です。」と言ってくれるので、安心です。 

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高校生になっても本当は塾はいらない

 中高一貫校でも中学校の卒業式があり、高校の入学式があります。そして、残念なことに高校の入学金が徴収されます。何も変わらないのに。

 さて、高校になると、鉄緑会や河合塾に行く人たちがでてき始め、洛南高校の3年生では8割くらいがどこかの塾に通っている印象です。学校の先生も塾に行くことを止めません。ところが、合格体験記を読むと、難関校の合格者の多くは「塾には行かず自分で勉強しました。」「塾の自習室で勉強しました。」と書いています。勉強は自分でするものだという意識を新たにする事実です。大学は自ら学ぶ場所です。塾の力に頼らずに、自分で計画を立てて進める練習を高校生のうちからしておくと実力がつきます。

 ムスメ、塾には無縁のまま大学生になりました。ムスコ、今のところ塾のお世話になっていません。私、大学受験にあたって塾には行きませんでした。公立ですが、スーパーサイエンスハイスクールSSH)指定の大阪府天王寺高校の先生も学校でサポートしますとおっしゃっていました。優秀な先生方を利用しない手はありませんよね

今日のひとこと:私立中高一貫校のメリットを最大限活用する